2005年10月09日
英医学会報(BMJ)のオンライン版が伝えたところによると、数校のドイツの大学が参加して、「はり治療は本当に頭痛に効くのか」をテーマに、この分野では規模の大きい試験が行われた。はり治療が頭痛に効くと言う人がいる反面、これに疑いを持つ人もいて、なかなか定説がないからだ。この試験では、慢性の頭痛持ち270人を集めて、ドイツ各地の28のクリニックで、30分ずつのはり治療を12回、8週間にわたって試験は行われた。被験者は、すべて、緊張型頭痛に悩む人たち。緊張型頭痛とは、国際的に12に分類された頭痛の一つで、筋収縮性頭痛、心因性頭痛、ストレス性頭痛などが含まれる。このうち、1ヵ月に少なくとも8日は頭痛に見舞われる、という慢性の患者だけを対象に、試験が行われた。まず、被験者を3つのグループに分けた。一つは、頭痛に効くと言われる、標準的なはり治療を施した。第2のグループには、頭痛に効くと言われるツボをわざわざはずして、しかも、はりで軽く刺激するだけの、「疑似はり治療」を施した。第3にグループには、待機するようにと言っておいて、実際にははり治療を行わなかった。(試験の終わりころに、申しわけ程度にはり治療を行ったが、これは試験の中には入れていない)こうして、8週間後調べたところ、標準的なはり治療を施した第1のグループは、1ヵ月に頭痛に見回れた日数が平均して7日間減った。「これは、はり治療の効果がはっきり出ている」と研究者たちは、結論づけた。ところが、「疑似はり治療」のグループも、頭痛の症状が、第1のグループと同じ程度に改善していたのである。研究者たちは、これをどう解釈していいのか困ったが、「ツボをはずしてもはりで刺激したことにより、血液の循環が良くなり、神経生理的に、あるいは、神経化学的に、患者に良い結果が及んだのではないか」と言う結論に達した。「はりにも、いわばプラシーボ効果がある、と考えてもいいようだ」とある研究者は言っている。