2005年10月02日
携帯電話(cell phone)を使うと脳腫瘍になる、という問題が、とくにヨーロッパで広く伝わっている。人によって、自分が病気になったのは、携帯電話のせいだ、と主張するケースもある。携帯電話から発する放射線が、がんを誘発させる、あるいは、がんの成長を早める、というのだ。あるイギリスの著名な学者も、確証はないのだがその疑いは強い、と有害説を唱えている。しかし、その心配はない、とする調査結果が、雑誌「神経科学」(Neurology)(2005年4月号)で報告された。この調査を行ったのはデンマークの研究チームで、脳腫瘍と診断された427人と、正常な健康人622人を比較した。まず、両グループで、携帯電話の使用頻度、および、携帯電話の使用年数に違いはなかった。さらに、脳腫瘍グループだけで見てみると、携帯電話をかける時に主に使う耳の位置と、脳腫瘍の患部の位置、あるいは、脳腫瘍が起きた脳の位置、との関連はまったく見られなかったという。加えて研究者たちは、「携帯電話のせいで病気になった」と主張している人の携帯電話使用期間を、電話会社の記録から調べたところ、そういう人が携帯電話を長い期間使っていたということはなかった、という。この調査を行った研究者の一人、国際疫学研究所(International Epidemiology Institute=米メリーランド州ロックビル)の科学者、ジョン・ボイス博士は、「これで、どうやら、携帯電話で最もこわいのは、これを車の運転中に使うこと、ということになる」と話している。