2005年09月15日
閉経後の更年期障害を緩和させるため、女性ホルモンを使う治療法があるが、WHO(世界保健機関)の一つの機関である「国際がん研究機関」(International Agency for Research on Cancer)は、2005年7月、このホルモン補充療法に使われるホルモン剤を、「発がん物質」の仲間に加えることにした、と発表した。国際がん研究機関は、発がん物質に関して、世界でもっとも権威があるとされている機関で世界のがん科学者21人からなる委員会によって、この決定がなされた。女性ホルモンは、これまで、「発がんの可能性がある物質」にリストアップされていたが、今度はっきりと「発がん物質」に“昇格”したのである。その理由として、同委員会は、最近発表されたいくつかの研究によって、ホルモン補充療法で使われる女性ホルモン剤と乳がん発生との密接な関係が、ますます明らかになってきたためである、としている。同委員会によると、女性が、生涯に乳がんにかかるのは、一般に7人に1人の割合、と言われているが、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)を複合して、更年期障害の治療に使っている人の場合は、乳がんになる割合が6人に1人に高まる、という。また、女性ホルモンを長年使った女性は、乳がんにかかるリスクが高まるだけでなく、子宮内膜がんが発生するリスクもわずかだが高まる、と同委員会は報告している。ホルモンを、1ヵ月に10日以下しか投与しない、という人でも、がん発生のリスクが高まるという。同委員会はまた、避妊に使われる女性ホルモン剤(ピル)は、がんを引き起こすリスクが、これまで考えられていたより、実際にはかなり高いことも判明した、と言っている。