2005年09月28日
脳の血液循環に障害が起きて、急に意識を失って倒れ、手足の運動が不能となるのが、脳卒中である。その原因は、大きく分けて、高血圧などがもとで血管が破れて出血する脳出血と、脳の血管に血栓が生じて血管が詰まり、血液の流れが止まる脳閉塞があるが、それが、右、左どちらの脳半球で始まったか、によって、脳卒中の初期診断に大きく影響する、という研究が発表された。この研究を行ったのは、ドイツ・フランクフルトにあるゲーテ大学クリスチアン・フォーチ博士らで、英医学誌「ランセット」で発表した。それによると、博士らは、脳卒中を起こした2万件のケースについて、調べた。その結果、脳の右半球に脳卒中が起きたケースでは、発病直後の肝心な時に、治療を受けなかった場合が多いことがわかったという。その理由を探ると、脳の左半球で脳卒中が起きた場合は、急に話ができなくなったり、手足が不自由になったりして、脳卒中の症状だとすぐにわかるので、応急手当や入院などの措置が取れるが、右半球で起きた場合は、すぐには兆候がはっきりしないことが多いからだ、と研究者たちは、言っている。この研究について、ニュージーランドのクライストチャーチ病院のジョン・フィンク博士らは、「右脳で起きた脳卒中は、見過ごされやすいということだ。したがって、発作が起きてから2、3時間という、致命的に重要な時間に、入院が遅れ、手当ができなくなる恐れがある。患者も医師も、そのことを十分考慮して、迅速に対応する必要がある」とコメントしている。