2005年09月26日
アメリカにおける妊娠中絶の件数が減っている。非営利団体の「アラン・ガットマッチャー研究所」(Alan Guttmacher Institute)が、中絶医療機関などから集めた情報によると、アメリカの妊娠中絶件数が、1980年代から年々下がり続け、1990年には、161万件あったが、2002には129万件になっり、著しく減少した。妊娠1000件当たりに直すと、妊娠中絶は、1990年には280件あったが、2000年には245件、2002年には242件に減った。中絶が減少した理由にについて、同研究所の副理事長、ロレ・ファイナー氏らの専門家は、まず、避妊技術とその使用法の進歩をあげている。とくに、効果が長期化したホルモン系の避妊薬の導入が大きいという。また、もっと子どもの数が多くてもいいではないか、とする、家族計画に関する考え方の変化もあげられている。米国内で妊娠中絶を行う医療機関が、中絶反対勢力からの数々のいやがらせに出会い、放火されるなど、実害を受けている。そのため、中絶クリニックが次々と閉鎖され、その数が減って、近くになくなったことも、中絶減少の一因とされている。さらに、最近とくに若い人の間で、結婚前のセックスに対する考えに変化が見られることをあげる人もいる。一口に言えば、禁欲の風潮が広がったのである。とくに、十代の男の子の間に「禁欲」傾向が見られ、性的活動が低下し、そのため、十代の未婚の妊娠が減ったのは事実だ。しかし、減ったとは言え、中絶件数が依然高い水準にあることには変わりない、それは、とくに、黒人、ヒスパニック系の低所得の女性に中絶が多いためで、この報告によると、年間所得(3人家族で)2万8000ドル(約300万円)以下の極貧困層の妊娠中絶が、全体の60%を占めている。