2005年09月17日
妊婦がたばこを吸うと生まれてくる赤ちゃんのために良くない、と以前から言われているが、他人のたばこの煙を吸ういわゆる「間接喫煙」の妊婦でも、妊娠を知ってあわてて禁煙した妊婦でも、喫煙妊婦と同程度の悪い影響が胎児に残ることを突き止めた研究が発表された。この研究を行ったのは、米ピッツバーグ大学のスティーブン・グラント博士(環境・職場の健康専攻)らで、「BMC小児科学」(BMC Pediatrics)のオンライン版で発表された。それによると、研究者たちは、まず、妊婦の喫煙の習慣を詳しく調べ、それから、生まれた赤ちゃんの臍帯血を採取して、そこで起きている遺伝子の突然変異率を調べた。その結果、妊婦が喫煙者の場合、自分は吸わないが、回りに喫煙者がいていつもたばこの煙を吸わされいる場合、さらに、妊娠する前はたばこを吸っていたが妊娠したとわかってから、たばこをやめた場合のいずれも、臍帯血の突然変異率が、たばこと無関係な妊婦から生まれた赤ちゃんの場合より、はるかに高かった。その突然変異率の程度は、その悪影響が将来まで残るほどまで高く、しかも、この3つのケースで、ほとんど違いはなかったという。たばこをやめた元喫煙者の場合でも胎児に悪影響が出ていたことについて、グラント博士は、「たばこを吸っていたころには、多分、たばこを吸う友人や家族に囲まれていたと思われる。たとえ、急に禁煙してとしても、付き合いの方は続いていただろうから、間接喫煙の仲間に入れたほうがいい」と話している。同博士は、この研究結果について、「胎児に出る間接喫煙の悪影響の程度が、直接喫煙の場合と同じ、ということは、公衆衛生学上、非常に大きな意味をもっている。われわれは、妊婦と、これから妊娠を予定している女性を、何とかたばこの煙から守らなくてはならない。家族はもとより、行政当局も職場も、このことをよく肝に銘じてほしい」と話している。