2005年09月11日
ひところのフィーバーはさめたが、ローカーボダイエット(low-carbohydrate diet、低炭水化物ダイエット)の人気は依然として根強いものがある。パン、パスタ、ライス、イモ類など、でんぷん質の食物をできるだけ減らそう、というのが、この食事法である。でんぷんは、世界中どこでも人間の主食ではないか、とだれしも考えるのだが、ローカーボダイエットを続けると、不思議と体重が減ることがあるのだ。それはなぜだろうか、をワシントン大学医学部(シアトル)のデービッド・ウエリグル博士らが研究し、「米臨床栄養学雑誌」(American Journal of Clinical Nutrition)で発表した。その結論を一口で言うと、ローカーボダイエットを続けると、摂取カロリーが減るから、体重が減るのではなく、炭水化物の摂取を減らすと、どうしても、たんぱく質の摂取が増え、それが食欲を抑えることになるので、結果的に、摂取カロリーが減って、減量に結びつくのだという。ウエリグル博士らは、男女19人のボランティアを相手に、こんな実験をした。彼らにまず、全カロリーの15%をたんぱく質から、35%を脂肪から、50%を炭水化物から摂取するようにした食事を2週間食べさせた。この食事の総カロリーは、各自が体重を現状維持できるように調整された。次に、被験者たちは、全カロリーの30%をたんぱく質から、20%を脂肪から、50%を炭水化物から摂取するようにして、総カロリーを制限した食事を食べさせた。これをやはり2週間続けた。次に、被験者たちは、たんぱく質、脂肪、炭水化物の割合が同じ食事を食べさせたが、各自に、量は好きなだけ食べなさい、と言って2週間続けた。その結果、被験者たちは、「カロリーを制限し、たんぱく質の割合が大きい食事を食べているときが、一番空腹感が少なかった」と報告した。この男女19人は、たんぱく質の割合を高くした食事を取り続けた。ただし、量は、すきなだけ食べてもいい、というとにした。その結果、19人の摂取カロリーは、1日当たり、平均450キロカロリー減って、体重も約5キログラム減った。この実験結果について、この研究には関係しなかったデンマーク・コペンハーゲンの王立獣医農業大学のアルネ・アストルプ博士は、こう言っている。
「たんぱく質を摂取することによって、人は、炭水化物や脂肪よりも、満腹感が得られる。つまり、たんぱく質が食欲を抑えている。なぜそうなるのかは良くわからないが、とにかく、たんぱく質によって、必要な摂取カロリーが少なくて済む。ローカーボダイエットというのは、ただ炭水化物を減らせばいいのではない。同時にたんぱく質を増やさなければならない。たんぱく質を増やすだけで、食欲が抑えられ、減量に役に立つ」