2005年09月06日
ビタミンEは、試験管内では、フリーラジカル(遊離基)によって細胞が破壊されるのを防ぐ働きがあることが知られている。フリーラジカルは、諸病を引き起こす原因になるとされているので、サプリメント(栄養補助食品)のビタミンEをとると、病気を予防してくれるのではないか、と期待されている。それを確かめるために、きわめて規模が大きいビタミンEの人体実験が行われ、その結果が、「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」(JAMA)7月6日号で発表された。この実験は、45歳以上の健康な女性3万9876人を2つのグループに分け、一つのグループには、ビタミンE600IU(国際単位)を1日置きに飲ませ、これを10年続けた。もう一つのグループには偽薬を飲ませ、やはりこれを10年続けた。その結果、まず、がんにかかった人の割合は、両グループでほとんど違いは出なかった。(ビタミンE組からは1437件、偽薬組からは1428件)。また、心臓発作、脳卒中を引き起こした人の割合も、両グループで、ほとんど差はなかった。しかし、これら心臓血管系の病気で死亡した人の割合は、ビタミンEを飲んだ人たちの方が24%少なかった。また、65歳以上のお年寄りについて見ると、ビタミンEを飲んだ人の方が、心臓発作では34%、心臓血管系の病気で死亡した人が、なんと49%も少なかった。このデータから研究者たちは、ビタミンEの長期使用はがんの発生を防ぐ効果はみられなかったが、死亡率が低かったことから、心臓病や脳卒中など、病気にかかったあと、ビタミンEは体のなかで一定の効果を発揮すると見ている。また、この研究では、ビタミンEを飲ませるたのが、はじめは健康な人たちばかりだったので、その結果にあまり違いは出なかったが、病弱な人、高齢者、だけを対象にすれば、別の結果が出て、ビタミンEの働きがはっきりするのではなか、と研究者たちは述べている。また、以前に、高用量(1日当たり400IU以上)のビタミンEの摂取は、かえって健康を害し、死亡率を高める、という研究が発表されたことがあるが、この大規模研究では、そんなことはなかった、という。