2005年08月28日
運転中に携帯電話を使って話をすると、事故を起こす割合が高くなることは、以前から言われているが、ではイヤホンなどを使って電話機をもたずに、ハンドフリーで話をすれば安全だろう、と言う人がいる。だが、「そんなことは全くない。電話機の有無にかかわらず、事故の危険率は全く同じ」と言う研究結果が、7月11日、「英医学会報」(British Medical Jurnal)で発表された。従来、この種の研究は、模擬運転装置などにに実験者をすわらせたり、ビデオを使って、携帯電話使用によって、運転者の注意力がいかに散漫になるかを調べたものが多かったが、この研究は、実際に起きた車の事故と、その時の運転者の携帯電話の使用との関係を詳しく調べた初めての研究だ。研究者たちは、2002年から2004年に、オーストラリアのパースで起きた事故744件を調べ直した。パースでは、ハンドフリーなら運転中に携帯電話を使ってもいいとなっている。研究者たちは、事故が起きた何秒か前に、運転者が携帯電話で話をしていたかどうか、ハンドフリーの携帯電話だったかどうか、などについて、事故に巻き込まれて病院に入院している人にまでインタビューして、事故当時の様子をなるべく正確に再現した。この種の調査では、関係者は、違法行為をかくすために、正しいことを言わないケースが多いからだ。こうして得られたデータを分析したところ、ハンドフリーを使っていたために、携帯電話使用による事故発生が少なくなった、という証拠はどこにも見当たらなかったという。アメリカでも、このオーストラリアでの研究を重視して、例えば、ニューヨーク市では、携帯電話と車の事故と関係を独自に調べて、その結果を、今年(2005年)末までに市議会に報告し、車中での携帯電話の使用に関するルールをどうするか、を決めることにしている。しかし、法律で携帯電話使用に関するルールを決めても、実際に車中でここれを守らせるのは困難なことが多い。このため、別の観点から、事故防止のための方策が必要である、と指摘する向きもある。例えば、運転席でエンジンをかけると、携帯電話が使えなくなるようにできないか、というアイディアもあるが、専門家によると、これはなかなか難しいという。