2005年08月23日
空港近くの小学校の子どもたちは、読解力、記憶力が劣っていることがわかった。この研究は、英医学誌「ランセット」6月4日号に掲載されたもので、オランダのアムステルダム、スペインのマドリード、イギリスのロンドンの合わせて89の小学校の子ども(9歳、10歳)2800人以上を対象に調べた。各学校の航空機の騒音レベルを調べ、同時に、生徒の記憶能力、読解力を調べるテストを行った。その結果を、各学校の社会経済的要因を考慮した上て比較したところ、騒音レベルと読解力との間に、はっきりした負の相関関係があった。つまり、騒音がひどい地域の学校の子どもは、読む力が劣っており、その違いは「2ヵ月遅れ」と出た。また、騒音と記憶能力との間にも、読解力ほどはなかったが、明らかに負の相関関係が見られた。その理由について、研究者たちは、騒音のなかにいる子どもたちは、不要な音を無視し、必要な音だけを取り入れるための、余分な学習が要求され、そのために、読む力を習得するのに時間を要し、また、記憶が邪魔されるからだ、と言っている。さらに、この研究で、空港近くの子どもたちは、一般的な健康、睡眠パターンの面でも騒音の影響が見られた、という。これが、学習の遅れにも関係している、と研究者たちは見ている。結局、この研究で、理由はとにかく、航空機の騒音は、健康的な教育環境ではない、と研究者たちは結論づけている。この研究を掲載した雑誌にコメントを寄せたエール大学医学部のピーター・ラビノウイッツ助教授は、そのなかで、「航空機の騒音は、空っぽの教室内では、35デシベルが許容値と定められており、関係者は、この基準を遵守することが肝要である」と述べている。