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2005年08月01日

運動するとアルツハイマー病が少ない、をマウスで証明

いつも体を動かし、頭を使っている老人は、アルツハイマー病など痴呆症にならないものだ、とよく言われる。これを実験室で証明した研究が、雑誌「神経科学」最近号で発表された。研究を行ったのはカリフォルニア大学アービン校のポール・アドラード博士ら。博士らは、アルツハイマー病様の症状を呈するようにしたマウスを、遺伝子操作でつくりだした。このマウスは、生後3ヵ月ほどで、アルツハイマー病の特徴であるアミロイドたんぱくが沈着してできるプラーク(老人斑)ができる。そこで、研究者たちは、アルツハイマー病になるマウスと、正常なマウスを、回転車のついるケージと、回転車のついていないケージに分けて飼育した。ケージに回転車がついていると、マウスは当然、それに乗って遊ぶので、運動をよくすることになる。マウスを今度は、「水の迷路」に入れてやり、どれほど早く学習して迷路から抜け出せるようになるか調べた。その結果、回転車がついているケージで育てたマウスの方が、回転車がついていないケージで育てたマウスより、迷路から抜け出る時間が、明らかに短かった。また、迷路の実験のあと、マウスを解剖して脳を調べたところ、回転車がついているケージで育てたマウスでは、アミロイド斑は少なく、さらに、もう一つのアルツハイマー病の特徴であるベータ・アミロイド・ペプチドの沈着も少なかった。これらのことから、研究者たちは、運動をさせると、マウスのアルツハイマー病の進行が遅れると結論づけた。その理由として、米国立加齢研究所(National Institute of Aging)のスティーブン・スナイダー博士は、運動することで、アミロイドたんぱくが代謝される過程に変化が生じ、アミロイドの沈着ができにくくなるのではないか、と見ている。そして、この運動とアルツハイマー病発症との生理学的関係は、おそらく、人間でも当てはまる、と博士は言っている。