2005年07月09日
子どもはもっと野菜を食べなさい、フルーツを食べなさい、とお母さんが口を酸っぱくして言う。栄養学者も、政府も、野菜が足りないと警告する。なのに、野菜、果物の消費は一向にのびない。そこで、アメリカの食品業界は、「スーパーフード」と銘打った新手の販売戦略に乗り出した。野菜、果物を食べやすいように切って、すぐ食べられるようにして、カップに入れて販売するのである。ニンジン、セロリ、オレンジと、何でもスライスしてカップに入れ、買った人は、そのままつまんで食べられるようにするのだが、ターゲットはもちろん子どもである。
最近開かれた「食品市場協会」(Food MareketingInstitute)のショーで、各社のスーパーフード製品の一部が展示された。サンキスト社が計画中のスーパーフードは「ファンフルーツ」(funfruit、お楽しみフルーツ)の名が付いて、今年(2005年)中にスーパーマーケットに並ぶ予定だ。子どもが喜びそうな絵が描かれたハーフサイズのカップに、芯を除去してスライスした新鮮なオレンジ、リンゴ、パイナップル、ブドウなどが入れてある。同社の付加価値部門のジェネラル・マネージャー、リック・ハリスさんは、「子どもたちはこれを喜んでいます。カップのふたを取るときには、ポテトチップの袋を開ける感覚で、楽しみにしています。しかも、なかみは全部ヘルシーです。スーパースナック(超オヤツ)と呼んでもいいでしょう」と話している。この「ファンフルーツ」は、すでに試食用に、米各地の学校に配られて試されているが、その一つ、ボストン公立学校の栄養部長、ヘレン・モンファーガソンさんは「子どもたちは、フルーツの皮をむくのは苦手だし、まるごとでは食べづらい。だからといって、学校のカフェテリアで、全校生徒のために、フルーツや野菜を良く洗い、皮をむいて、包丁で切るとなると、食堂のスタッフ全員でかかっても、まる2日くらいかかる。とてもお手上げです。その点、だれでもすぐに食べられるファンフルーツは便利です」と言っている。サンキスト社では、子どもだけでなく、大人用の「スーパーフード」も、販売を考えている、という。これもヒットすること間違いない、と同社はふんでいる。新鮮野菜、果物の消費が飛躍的に伸びると、業界では期待している。