2005年07月03日
口の中にバクテリアが多い人は、動脈硬化になりやすく、したがって、心臓病や脳卒中にかかるリスクが高い、という研究が、雑誌「循環」(Circulation)最近号で発表された。研究者は、コロンビア大学公衆衛生学部のモイス・ドスバリュ博士ら。博士らは、650人のボランティアを集めて、口の中の11種類のバクテリアを調べて、その数を測定した。
また、同時に、各自の頸動脈の肥厚の程度を、超音波で測定し、口中バクテリアの測定位置との関連を分析した。その結果、調べた11種のバクテリアのうち、通常、歯周病の原因となる4種のバクテリアの測定値が高かった人ほど、頸動脈の肥厚の程度が高かった。頸動脈の肥厚は、動脈硬化の兆候として知られていることから、研究者たちは、口中のバクテリアが多い人は、頸動脈が腫れており、したがって、動脈硬化を起こしていて、心臓病や脳卒中など心臓血管系の病気のリスクが高い、と結論づけた。その理由として、歯周病は、細菌による感染症であり、これにかかると、他の慢性の感染症と同様、体の免疫システムにストレスが起き、これが心臓血管系に影響をよぼすのではないか、と研究者たちは説明している。歯ぐきの病気が、心臓病や脳卒中の危険因子であることは以前からよく言われていた。この研究は、これを裏書きしたものとして注目されている。それでは、口の中をいつも清潔に保ち、消毒しておれば、心臓病の予防になるのだろうか。研究リーダーのドスバリュ博士は「口中バクテリアが、歯周病以外の病気を引き起こすのかどうか、がわかっていないので、口中バクテリアをきれにすれば、心臓病が防げるのかどうか、何とも言えない。が、口の中をいつもきれいにして、いい健康状態にしてしておくことにこしたことはない」と話している。