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2005年06月26日

がん患者よ、治験にトライしてみたら

新薬や新しい治療法を、実際に患者で試して、効果を確かめるのが治験。
医学研究が盛んになって、アメリカでは、毎日のように、治験のための患者を募集する新聞広告が出ている。もちろん、治験を受けるには、だれでもいい、というわけにはいかない。研究目的によって、病気の種類、症状の程度、男女別、年齢、人種など、条件に合致にしなければ、治験は受けられない。もし、適格といわれ、“実験台”に採用されると、どうなるのだろうか。まず、マイナス面では、一定期間拘束されたり、通い続けたりした上に、効くのかどうかもわからない薬を飲まされたり。下手をすると、砂糖や小麦粉でできた偽薬を、何ヵ月も、あるいは、何年も飲まされることにもなる。他の薬は飲んではいけない、食事は制限しなさい、毎日、これこれの運動をしなさい、日記や記録をつけなさい、などと言われ、勝手気ままな生活は許されないことになる場合が多い。しかし、プラス面もある。普通、治験の患者は、はじめに全身を徹底的に検査される。もし、有料でやったら、相当な金額を請求されそうな検査でも、完全に無料でやってくれる。だから、健康状態をチェックしてもらうために、治験に応募する人は結構多い。もちろん、参加すれば、なにがしかの謝礼もいただく。プラスとマイナスの両面があるので、その点をよーく考えて、人は応募する。だが、治験を受けたら、肝心の病気の治療はどうなるのだろう。病気は良くなるのだろうかがんの治験について調査した結果が、今年(2005年)3月3日発売の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された。この調査を行ったのは、NIH(米国立衛生研究所)の臨床生命倫理部(DepartmentofClinicalBioethics)のクリスティーン・グレイディさん。彼女をリーダーとする研究チームは、これまでに行われた、がんに関する、さまざまな薬やワクチン、その組合せをテストする臨床試験460件を分析した。分析した研究は1991年から2002年にかけて、NCI(米国立がん研究所)の研究資金で行われたもので、治験を受けた人の総数は、合わせて1万1935人に上った。この人たちは、ほとんどが、従来からある治療薬や治療法では有効でない、と判断された人ばかりだった。ただし、製薬会社が行った治験、子どもを対象として治験は除外した、その結果、治験で与えられた実験的新薬や新治療法が、その人に有効だったケースは全体の11%だった。なかには、有効だった割合が、17%もあったケースもあった。以前は治験での有効率は、4~6%と言われており、最近はその成績は向上したことがわかったのである。グレイディさんは、「少なくともがん患者は、治験にトライしてみるといい。病気の改善が期待できるかもしれないから」と述べている。