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2005年06月19日

肥満にならない最高の秘訣は、しょっちゅう動くこと

「カウチポテト」と言う言葉がある。カウチ(ソファのこと)に、一日中じっと座って、ポテト(ポテトチップやフライドポテトのこと)を食べながら、テレビを見続けている怠け者のことである。昔は、体を動かさないと生活していけなかった。だから、こうした体を動かさないライフスタイルこそが、現代肥満社会をつくった元凶、と言われているのだ。
でも本当にカウチポテトが肥満の原因になっているのだろうか、を確かめる研究をした人がいる。何でも科学的に証明しないと、説得力がないからだ。研究した人は、メイヨークリニックの内分泌学者、ジェームズ・レビン博士らの研究者たち。博士らは、肥満体の人10人、太っていない正常な人10人を集めて、各人に、特製の下着を着せた。パンツは自転車乗りのショーツ風、上は、男性はシャツ風で、女性はスポーツブラのような下着である。この下着には、センサーが付いていて、着ている人の姿勢や動きを、0.5秒ごとに24時間記録するようになっている。ジェット戦闘機の操縦室で使われるパネルの技術を応用したのである。被験者にこれを10日間着せて、いつもと同じ生活をさせた。ただし、一つだけ条件を付けた。それは、毎日の食事は決められた病院で行い、そこで与えられた食事は、全部完全に食べること、かけら一つでも残さないこと。こうして、被験者全員が摂取するカロリーを同じにしたのである。次に、同じセンサー付き下着を着せて、こんどは、正常な人には、前回のテスト時より1日当たり1000キロカロリー多くした食事を食べさせ、肥満者には、1000キロカロリー少なくした食事を食べさせた。これをやはり10日間続けた。正常な人が摂取カロリーを増やすと太るのか。逆に肥満者の摂取カロリーを減らすと、減量するのかどうか、を見るためである。こうして、日常の体の動きを記録した、膨大なデータが得られた。それを分析して、研究者たちは、以下のような結論を得た。
(1)肥満者は、正常人より、じっと座っている時間が、1日当たり平均150分(2時間半)長い。
(2)肥満者が体で燃焼するエネルギーは、正常人より、1日平均350キロカロリー少ない。
(3)肥満者は、正常人と比べて、日常的な行動、つまり、立つ、すわる、歩く、話す、などが
確かに少ない。正常人は良く動き回っている。
(4)もし、肥満者が、日常的に、正常人と同程度に体を動かすとすると、年間に33ポンド(15キロ)は
減量できる。
この研究結果について、レビン博士は「毎日の暮らしのなかで、pacing(家の中を行ったり来たりする)、fidgeting(落ち着かずそわそわする)、restlessness(休まず動き回る)といった行動をとる人は太らない、ということがわかった。50年前と、人間は、生物学的には同じはずだ。なのに、肥満が、少なくともアメリカでは、こんなに増えた。以前は、必要に迫られて、しょっちゅう体を動かせていたのに、現代は、便利になりすぎて、体を動かさない人が増えた、ということが、われわれの実験で良くわかった。肥満を減らすのは簡単だ、50年前に戻ったつもりで、しょっちゅう体を動かせばいいのである」と話している。