2005年06月08日
働きながら、母乳で子どもを育てている母親は大変だ。往々にして、母乳を貯めて、冷蔵、または、冷凍しておいて、必要な時に赤ちゃんに飲ませることをする。そうすると、母乳の栄養価はどうなるのだろうか、を調べた研究結果が、雑誌「小児病記録」(ArchivesofChildhoodDisease)最近号で発表された。この研究を行ったのは、ニュージャージー州ニューブランズイックにあるロバート・ウッド・ジョンソン医科大学のトーマス・ヘギー博士らの研究チーム。研究者たちはまず、16の母乳のサンプルを集めた。いずれも、採取されてから24時間以内のフレッシュな母乳ばかりだった。フレッシュな母乳のなかの抗酸化物質をチェックした上で、母乳のサンプルの一部を冷蔵し、また一部を冷凍した。こうして、サンプルの抗酸化物質を調べたところ、冷蔵、冷凍した母乳はいずれも、4日経過後に抗酸化の活性度が下がり始め、7日も経過すると、抗酸化作用が大きく減少していた。この研究では、母乳に含まれる抗酸化物質の変化だけを調べた。母乳で育てた赤ちゃんが、人工乳の赤ちゃんよりもすぐれていることは、感染率、死亡率が低いことで、これは、取りも直さず、母親から受け継いだ抗酸化物質の働きによる、と見られているからだ。すなわち、抗酸化物質が少なくなれば、母乳の良さが減るとみられるのだ。この結果について、研究リーダーのヘギー博士は、「だからといって、母乳を冷蔵、冷凍してはいけない、ということではない。冷蔵、冷凍すれば、少しは抗酸化活性が低下するが、母乳の良さはちゃんと保たれており、人工乳と比べれば、それでも抗酸化作用は、はるかに大きい。できれば、フレッシュな母乳を与える方がいいが、状況によって、冷蔵、冷凍しても母乳を飲ませたほうがいい」とコメントしている。