2005年06月01日
すい臓がんにかかると、発病から1年以内に、事実上すべての患者が死亡するという、最も恐ろしいがんの一つである。このすい臓がんの発生を促し、がん細胞の成長を早めるのが、喫煙である、という研究が、このほど、シカゴで開かれた「米臨床腫瘍学会」(AmericanSocietyofClinicalOncology)で発表された。
研究を行ったのは、ノースウエスタン大学(イリノイ州)のランドール・ブランド博士らで、1993年から2003年の間に、すい臓がんの治療を受けた1万8346人の患者を調べた。患者に関する情報は、病院のデータベースから得られたもので、すべてのデータに、喫煙に関する情報が含まれていた。調べた患者の発病年齢で最も多かったのは73歳だった。つまり、すい臓がんを診断されたのが平均73歳だった。ところが、喫煙者だけについてだけ調べると、発病年齢は63歳で、10年も若かった。以前は喫煙をしていたが、途中で禁煙したしたという人では、発病年齢が平均70歳だった。つまり、喫煙者と非喫煙者の中間だった。このことから、研究者たちは、喫煙がすい臓がんの発生を早めるだけでなく、がんの進行を促している、と結論づけた。ブラント博士は、「元喫煙者が、全く吸わない人と比べると、すい臓がんの発病年齢が速いということは、喫煙が、腫瘍形成の初期の段階から、関係していることがわかる」と言っている。同博士はさらに、「すい臓がんにかかると、おしなべて死に至ること考えると、喫煙ーすい臓がんー若死、ということで、命を縮めている人が多いということだ。とにかく、たばこを吸わないように」と話している。なお、米がん協会(AmericanCancerSociety)の推計によると、2005年には、全米で、3万2180人がすい臓がんにかかり、うち、3万1800人が死亡するだろうと見られている。