2005年06月29日
アルコールのためにけがをして、救急治療室に運ばれるケースは多い。どういう人がけがをして救急治療を受けるのか、を調べた研究が、雑誌「家庭医学紀要」(AnnalsofFamilyMedicine)最新号に掲載された。研究を行ったのは、ミズーリ大学のマリア・スパーリング、ダニエル・ビンソン両博士で、ミズーリ州にある3ヵ所の救急施設で、2年間に治療を受けた2500人について調べた。患者には、負傷した2日前から、アルコール類を飲んだか、飲んだ場合はその量、いつもの飲酒の習慣などについて、アンケートで質問した。その結果、一般に“安全”とされている量のアルコール類を飲んだ上で、なんらかの原因でけがをした人は、全体の4%いたが、この割合は、アルコール依存症(アル中)など常に深酒をしている人たちの負傷率と、ほぼ同じか、むしろ大きかった。ここでいう“安全”の基準は、男性は4杯以内、女性は3杯以内(1杯は、ビールなら小瓶1本、ウイスキーならコップ1杯)のことで、これを超えると、深酒で、危険になる、とした。ところが、救急治療を受けたケースでは、「軽く1杯」の方がむしろ「深酒」よりも危ない、ということがわかったわけだ。これについて、この研究リーダーの一人、ビンソン博士は「自分は“適度”と思って飲んでいても、軽い酩酊、のためにけがをすることが意外と多いことがわかった。だから、自宅外で飲む場合は、1、2杯に留めておくべきだろう。そして、飲んだあとに、スポーツをしたり、他人と接触するような活動に参加すべきでない。けがをしやすくなるからだ」と注意している。また、公衆衛生的な観点からしても、「深酒」は、個人的な問題で終わるケースが多いが、「ちっと1杯」は、交通事故はじめ、本人も周囲も巻き込む、事件、事故につながりやすく、社会的に負担をかけることをこころすべきだろう、と同博士は言っている。