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2005年05月26日

運動中の水分補給はどうする−−米で議論

運動中は水を飲んではいけない、いや、できるだけ飲んだほうがいい、と人によって、両極端なことを言う。いまだに“定説”がないため、アメリカの関係者の間でも、議論が絶えない。3年前(2002年)アメリカで、2人の女性長距離ランナーが、相次いで、競技の後に死亡した。うち1人は、あのボストンマラソン参加者だった。いずれも、水を飲み過ぎたために起きた「低ナトリウム血症」(hyponatremia)が原因だった。「みず中毒」(waterintoxication)ともいうべきこの症状は、こうして起きる。激しい運動をすると、汗をかくので、汗とともに塩分が流れ出る。そのため、体内のナトリウムが、正常値以下に下がる。そこへ、水をさらに飲むと、血液中のナトリウムが薄められ、そのため脳が膨脹して、頭の骨を圧迫する。その結果、吐き気、嘔吐、衰弱、が起き、ひどくなると、発作、昏睡、死に至ることもある。この「運動中の水の飲みすぎの害」が大きく報じられて、以来、運動と水分補給の関係についての、古くて新しい問題が論議され、さまざまな見解、警告が、専門家から出された。以前から、体育関係者は、運動中に起きる脱水症状を警戒して、水分を補給する重要性を強調していた。脱水状態になると、体の温度が上がり、熱射病になるからだ。飲まないと脱水症状を引き起こし、飲みすぎると低ナトリウム血症で死ぬこともある、となると、どうすればいいのだろうか。研究によると、運動中に起きる低ナトリウム血症は、運動する時間が4時間以上になった場合に、選手が水を飲みすぎた時に起きるという。マラソン、トライアスロンがこれに入るが、時に、時間制限のないテニスや野球で試合が長引くと、低ナトリウム血症が起きる可能性はある。昨年(2004年)テキサス州ヒューストンで行われたマラソンで、大会関係者が、コースの途中の給水所を従来の半数に減らした。ランナーたちは、はじめ、この変更に面食らったが、大会医師によると、参加者で低ナトリウム血症の症状を呈した人は、これまでより大きく減った、という。選手の「飲みすぎの事故」に詳しい南アフリカのケープタウン大学のティム・ノークス博士(スポーツ医学)は、「一口で言えば、のどが乾いたな、と思った時にだけ、水か何かの液体を飲むといい。体は、本能的に水の必要性を察し、教えてくれるから」とアドバイスしている。これまで、低ナトリウム血症になった人は女性に多く、またマラソンなどでは、遅れてゴールする選手にこの症状を呈する人が多いので、気をつけるといい、専門家は言っている。米ランナーズ協会(AmericanRunnersAssociation)では、レースの前に、塩気のある食べ物、たとえばプレッツェル、などを口に入れ、レース中は、20分にコップ1杯の割合で水を補給し、それ以上は飲まないように、と指導している。