2005年05月20日
コレステロールは動脈硬化の危険因子であり、これが高い人は、とくに、心臓病になりやすいことは常識となっている。しかし、コレステロール値が高い人は、記憶力、集中力など精神的能力にすぐれていることがわかった、とボストン大学の研究者たちが、雑誌「心身医学」(PsychosomaticMedicine)2月号で報告した。
この研究のベースとなったのは、マサチューセッツ州フラミングハムの住民を対象に長年続けている健康調査で、18歳以上の男789人、女1105人のコレステロール値に関する医療記録と、精神的能力のテストの結果を見て、データを分析した。その結果、コレステロール値が高い人(1デシリットる当たり200ミリグラム以上)は、これよりコレステロール値が低い人と比べると、記憶力、集中力、物事の抽象化、組織的に系統立てて考える力、などの面で、すぐれていることがわかったという。この研究では、コレステロール値が高い人というのは、コレステロールの総量が高い、ということで、コレステロールの中の、いわゆる「善玉」「悪玉」別に分けて考えてはいない。
この研究結果について、研究者の一人、ボストン大学のメリル・エライアス博士は、「コレステロール値が高い人は、精神的な能力が高いことは、われわれの研究で明らかになった。しかし、だからといって、コレステロール値が高いことを見逃してもいい、とか、コレステロール降下剤の服用をやめてもいい、と考えるのはよくない。いくら記憶力や集中力が高いからといって、やはり、命が第一だから、心臓病の予防のためにも、高コレステロールには大いに気をつけなければならない」と述べている。