2005年05月06日
白血球の数を数えて、その値が高い人は心臓病や脳卒中など、心臓血管系の病気になりやすい、という簡単で安上がりの診断法が、3月14日、「米内科学紀要」(ArchivesofInternalMedicine)で発表された。発表したのは、ミネアポリス(ミネソタ州)にある「バーマン臨床研究センター」(BermanCenterforClinicalResearch)のカレン・マーゴリス博士ら。それによると、研究者たちは、6万6000人以上の女性を対象に白血球をカウントした結果、白血球の数が最も高いグループの女性は、最も低い女性よりも、心臓病で死亡する割合が約2倍だった。また、死亡には至らなかったが、心臓発作を引き起こした人の割合は、白血球の数が高い人は、低い人より40%高く、脳卒中を起こした人の割合も46%高かった。心臓病や脳卒中は、体内で起きている炎症と関係が深い、といわれているが、この研究は、それを裏づけている、と専門家は言っている。体がバクテリアやウイルスに感染した場合、出動して、病原体と戦うのが白血球の任務となっている。したがって、外敵と戦う必要が生じると、白血球が増え、その際炎症を起こす。そのため、血管壁が損傷を受け、あるいは、血管が詰まって、心臓病や脳卒中の原因になる。そこで、従来、白血球の数を数えることで、いろいろな病気の診断してきた。これが、今度は、心臓病や脳卒中など心臓血管系の病気の診断にも使えることがわかったのだ。従来から、心臓病の診断には、「C反応性たんぱく」(C-reactiveprotein)を調べる方法がある。このたんぱくも、炎症を示すマーカーだが、検査費用が1回75ドル(7900円)かかる。これに対して、白血球測定法は、1回25ドル(2700円)ほどで済む。しかも、診断の正確度は、両方法でほぼ同じ、と研究者たちは言っている。この新しい診断法について、クリーブランド・クリニックの心臓学者、スティーブン・ニッセン博士は、「白血球診断法のよって、心臓病を予測するというのは、医師の目を覚ます研究だ。心臓病は、コレステロールだけで起きるのではない、と言うことを、よく示している」と語っている。また、バーモント大学のメアリー・クッシュマン博士は、「白血球を調べて炎症の程度を知り、心臓病の診断に役に立てる方法はさらに研究を重ねて、完成させる必要がある。しかし、白血球測定法があまねく普及すると、医療費が増え、また、一般の人に不要な心配を招く可能性がある」とコメントしている。ある「女性健康イニシアティブ」(Women'sHealthInitiative)の一環としておこなわれた。この調査では、先ごろ、閉経後の女性の女性ホルモン補充療法は、危険を伴うことがわかり、全米にショックを引き起こしたことで知られている。