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2005年05月30日

豊胸シリコン使用で、FDA委員会が一応OK出す

小さな乳房を大きくさせる美容手術に、埋め込み材料としてシリコンゲルを使うことを認めるかどうか、で審議を続けていたFDA(米食品医薬品局)の諮問委員会は、4月12日、シリコンゲルのメーカー、イナメド社(InamedCorp)から出されていた、シリコンゲル使用の申請に対して、票決の結果、5対4の僅少差で「ノー」の決定を下した。ところが、翌13日、同じ委員会の同じメンバーが、ライバル社である「メントール社」(MentorCorp)から出されていた、同様な申請に対して、6対2で、シリコンゲルの使用にOKを出した。委員会の決定は、通常、FDAの最終決定となることが多く、シリコンゲルによる美容目的の豊胸術が、13年ぶりに復活する望みが出てきた。OKを得たメントール社は大喜びだがイナメド社は当然、おおむくれで、不満をぶちまけている。
決定の違いとなったのは、両社が提出した、シリコンゲルが入った袋が破れる割合に関するデータで、イナメド社は、その割合を年間1.4%としたのに対して、メントール社は、0.2%とした。「袋の破損率は長期のデータに基づくようにといわれのでそのようにしたのに、メントール社に対しては、短期のデータを採用した」とイナメド社は文句を言っている。イナメド社は、「今度こそは大丈夫、と確信していただけに、がっかりした。しかし、懲りずに、今後さらに申請して、承認を得たい」とのコメントを出した。豊胸術に使うシリコンゲルは、1992年FDAが認可を取り消したことから、使用できなくなった。シリコンゲルを入れた袋が破れて中味が漏れだし、疲労感など、さまざまな健康被害を与えている、との報告が相次いだからだ。それ以降、豊胸術には、もっぱら生理食塩水が使われるようになって、今日に至っている。ただし、乳がんなどによる乳房切除手術のあとの乳房再建術には、シリコンゲルの使用は、以前から許可されている。また、臨床実験のために、シリコンゲルを使うことも許されている。一般的に、生理食塩水よりも、シリコンゲルの方が、見栄え、感触ともにすぐれている、といわれる。2003年にもイナメド社は、シリコンゲルの復活を求めてFDAに申請を出した。この時は、これを審議したFDAの諮問委員会はOKの判断を下し、答申したが、FDAは、安全委にまだ問題が残る、として、委員会の答申を覆すと言う異例の最終決定を下した。その後、イナメド社は、袋の改良、シリコンゲル安全性の確保に改良を施し、新しいデータを用意して、再度、復活をめざして申請を出したのだった。2日間にわたって開かれた今度の諮問委員会の公聴会では、美容外科医師、豊胸術を受けた女性など合わせて150人が、賛否両論の立場から、証言した。なかには、シリコンゲルを埋め込んだために、自分の人生は悲惨なものになった、と涙ながらに証言した中年女性もいた。このように、この種の公聴会としては、はなはだ感情的な場面も多く見られた。それだけ、委員会の決定には、一般の関心を高かった。なお、アメリカでは、毎年32万人の女性が、豊胸術を受けている。内訳は、美容整形が目的の手術が26万件、乳房再建手術が6万件。この数字が毎年、10%の割合で伸びている。