2005年05月17日
血液中にビタミンDが多く含まれている男性は、前立腺がんにかかるリスクが、ビタミンDが少ない男性より、はるかに小さいことがわかったと、このほど、フロリダ州オーランドで開かれた、がんに関する学会で発表された。この研究は、ボストンのブリガム女性病院とハーバード大学医学部が長年行っている医療従事者の健康調査をベースに行われた。研究者たちは、1982年に、約1万5000人の男性の血液を採取した。18年後調べたところ、このうち1082人が前立腺がんにかかっていた。そこで、保存されていた血液から、含まれているビタミンDの量を調べた。そして、前立腺がんにかかっていない1701人の血液と比べて、血液中のビタミンDが多い人は、前立腺がんにかかる割合が、少ない人の半分であることを突き止めた。研究のリーダー、ハオジエ・リー博士によると、ビタミンDには、通常2種類あるが、前立腺がんの予防効果と言う点では、種類に関係なく、ビタミンDの総量が少ないと、前立腺がんにかかるリスクが高まるという。このビタミンDと前立腺がんとの関係について、これまでも、傍証といえる事実がいくつかある、と指摘されている例えば、カルシウムの摂取量が多い男性は、前立腺がんになりやすい、という研究結果が発表されたているが、これは、カルシウムの摂取過多で、ビタミンDが欠乏することと関係している、と解釈できる。また、北緯の高い地域に住んでいる男性は、前立腺がんになる割合が高いと言われているが、高緯度は日照が少なく、ビタミンDが不足しやすいかららしい、という。黒、ないし、褐色の生体色素であるメラニン(melanin)は、紫外線をシャットアウトする。紫外線は、体内でビタミンDをつくる働きをする。したがって、皮膚にメラニンが多い黒人には前立腺がんになる割合が高い。実験によると、ビタミンDは細胞の成長を妨げる、という。つまり、ビタミンDはがん細胞の成長も抑えると見られ、前立腺がんの細胞の成長も抑えれる、と見られる。ではビタミンDは、どのように、どれだけ摂取すればいいのだろうか。リー博士は、「この血液分析の結果、ビタミンDの所要量となっている1日400IU(国際単位)では、前立腺がん予防に有効なビタミンDは足りない」と言っている。牛乳には往々にして、ビタミンDが強化されている。しかし、ビタミンD強化の牛乳でも、飲みすぎると、結果的にカルシウム摂取過多になりやすい。するとビタミンD不足に陥るかもしれない。したがって、一番いいのは、1日15分でいいから、日光に当たって、体内にビタミンDをつくるようにすることである、と医師は勧めている。