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2005年05月10日

風疹はアメリカから消滅した--CDC宣言

米CDC(米疾病管理予防センター)のジュリエ・ガーバーディング所長は、3月21日、ワシントンで開かれた「全米免疫学会」で、「風疹(rubella)は、アメリカから事実上消滅した」と宣言した。「三日ばしか」とも呼ばれるこの病気は、ウイルスによる伝染病で、乳幼児に多く発症する。はしかに似ているが、症状が軽く、発疹は1、2日で消える。しかし、母体が妊娠初期に風疹に感染すると、流産、死産になりやすくなり、生まれても、赤ちゃんは、先天性の心臓病、白内障、奇形児になることが多いという、恐ろしい病気である。40年ほど前に、アメリカで風疹が大流行し、耳が聞こえない、あるいは、耳が聞こえなくて目も見えない、知恵遅れ、自閉症などの障害を持った赤ちゃんが、1万2000人も生まれた。1960年に風疹ワクチンが開発され、69年からその接種が始まった。おかげで、その後、風疹は急激に減少した。ガーバーディング所長によると、60年代には、風疹にかかる人が、50万人を超えていたが、次第に減って、最近では、1年に発症例は10件以下。それも、中南米など外国から入国した人たちが風疹を持ち込んだケースばかりで、その感染源をたどることが容易になっている。また、ワクチン接種のおかげで、アメリカのほとんどの国民が風疹に対する免疫がついているので、たとえ、ウイルスが侵入しても、ウイルスはその感染力を発揮できず、そのまま死滅してしまうのだという。つまり、いまや、風疹の実態が完全に把握され、封じ込めることができるようになったのである、とCDCでは説明している。かつては、風疹は、「目に見えない感染」といわれ、いつ、だれから感染したのかわからない病気だった。同所長は、「1990年代から、中南米でのワクチン接種も進んでいる。南北アメリカで風疹ゼロになる日も近いだろう。全世界から風疹を追放することも夢ではない」と言っている。それもこれも、ワクチンの威力のおかげである、と同所長は強調している。アメリカでも日本でも、風疹ワクチンは、「MMR」と呼ばれる混合ワクチンの形で接種されている。measles(はしか)、mumps(おたふくかぜ)、rubella(風疹)の頭文字だ。風疹ワクチンは単独で接種されることもある。