2005年04月16日
アメリカとカナダの研究者が、共同で、禁煙すると寿命がのびるかどうかを、多くの人を対象に、14年余の年月をかけて調べた結果、禁煙はいつ始めても遅すぎることはない、ということを証明した。
「米内科学雑誌」(AnnalsofInternalMedicie)最新号で発表されたその研究は、アメリカとカナダの10ヵ所のクリニックで、35歳から60歳までのヘビースモーカー5887人を対象に行われた。この人たちは、肺にすでに障害が起きていて、慢性的に呼吸に異常があることが、事前の検査でわかっていた。研究者たちは、まず、被験者を2つのグループに分けた。第1のグループの人たちは、禁煙プログラムに参加させた。そのプログラムの内容は、医師による禁煙を勧める講義、禁煙のための行動療法、禁煙ガムを使わせる、などで、強制的に禁煙に導いた。第2のグループには、喫煙は健康に良くないことを良く言って聞かせたが、とくに禁煙のための治療を施すことはしなかった。その5年後に調べたところ、禁煙を続けていた人たちは、禁煙プログラムに入れて強制的に禁煙をさせたグループでは22%、強制的に禁煙させなかったグループでは5%だった。つまり、ざっと5人に1人が、5年間禁煙に成功したが、この他に、時にたばこを吸ったり、やめたりしていた人が、全体の30%いた。その後、14年半経過した時点で調べたところ、被験者のうち、731人が死亡していた。その死因は、33%が肺がん、22%が心臓病か脳卒中、7.8%が呼吸器疾患だった。また、14年半の間、継続してたばこを吸っていた人は、この間に禁煙できた人より、肺がんによる死亡率は、2.2倍高かった。さらに、14年半経過時点での死亡率は、第1のグループ全体は15%低く、5年以上禁煙できた人の死亡率は、何と45%も低かった。つまり、それだけ禁煙によって、寿命がながくなったわけだ。研究者たちは、「研究の対象となった人たちは、いずれも、ヘビースモーカーで、しかも、肺に異常がある人たちばかりだった。なのに、禁煙することによって、死亡率が半分になると言うことが明らかになった。驚くべき禁煙効果だ。年齢や持病にかかわらず、いつの時点でも、たばこをやめるとそれだけ効果があるということだ」と述べている。