2005年04月12日
前立腺がんを治療するための新しいワクチンが開発され、その試験の結果、有望であることがわかった。このワクチンは、「プロベンジ」(Provenge)と呼ばれ、デンドリオン社(DendreonCorp.)の製品。これは、いわゆる「治療的ワクチン」で、患者自身に本来備わっている免疫システムを強化し、がんと戦う力をアップさせて治すのがねらい。
前立腺がんの治療には、普通、男性ホルモンのテストステロンを下げる療法が行われるが、新しいワクチン療法は、このホルモン療法も効かなくなった患者のために、最後の拠りどころ、として期待されている。このワクチンを実際に患者に使った臨床試験が行われ、延命効果があったことが、2月9日、ワシントンで開かれた、米臨床腫瘍学会、前立腺がん基金、泌尿器腫瘍学会などの合同学会で発表された。臨床試験を行ったのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のエリック・スモール博士で、博士らは、82人の前立腺がん患者にこのワクチンを投与し、45人の患者に偽薬を与えた。被験者となった127人はすべて、ホルモン療法が効かなくなった人たちで、末期がんの患者だった。試験の結果、ワクチンを投与された患者は平均26ヵ月生きたが、偽薬を与えられた患者が生きたのはは平均22ヵ月だった。また、試験が行われて3年後に調べたところ、ワクチンを与えられたグループでは34%が生存していたが、偽薬組では生存率は11%だった。これらの結果を分析して、研究者たちは、この前立腺がんワクチン療法は、18%の延命効果があると結論づけた。スモール博士は「このワクチン療法は、延命効果がある上に、他の療法のような副作用がない。患者にとっても、医師にとっても、非常に魅力がある治療法である」と述べている。