2005年04月13日
成人の10人に1人がうつ状態にある、と言われるアメリカで、抗うつ剤の使用が増えている。しかし、抗うつ剤には、薬によってさまざまな副作用があり、それがこわい、といって、服用を避ける人もいる。そういう人は、いろいろな代替薬を試みているが、サプリメントのDHEAもそのうちの一つである。
そこで、DHEAが本当にうつ状態の改善に役に立っているのかどうか、を調べるテストが行われ、その結果が、雑誌「一般精神医学会報」(ArchivesofGeneralPsychiatrics)2月号に掲載された。このテストは、うつ病と診断されたが、抗うつ剤を使用していない成人45人を対象ni行われた。被験者全員にDHEAを毎日飲ませ、これを6週間続けた。ただし、DHEAの服用期間の前か後に、やはり6週間偽薬を飲ませた。偽薬をDHEAの前に飲んだか、後に飲んだかは、本人はもちろん、研究者自身もわからまいようにしてテストは行われた。このようにして、被験者に、その日の自分のうつ状態を、評価の基準に従って、日記風に記録させた。それにを研究者がまとめたところ、DHEAを飲んだ期間に、うつ状態がかなり改善した人が23人いた。逆に、偽薬を飲んでいる間の方が、うつ症状が改善した人が13人いた。残りは、DHEAと偽薬で違いは出なかった。この結果から、研究者たちは、DHEA療法はうつ病の改善に役に立ち、うつ病の治療法の一つになりうる、と結論づけた。人によって、DHEAに対する反応がなぜ違うのだろうか。これについて、研究者たちは、被験者のなかには、抗うつ剤を使用しなくても、ホルモン投与など、別の療法を行っている人もおり、DHEAがホルモンであることから、体内で相互作用が起きて、DHEAが本来の働きを阻害されているいる可能性がある、と言っている。DHEA(デヒドロエピアンドロステロン、dehydroepiandrosterone)は、メラトニン、ヒト成長ホルモン(HGH)と並んで、若返りのための「3大ホルモン系サプリメント」の一つとして、知られている。“若さの泉"と呼ばれているDHEAは、副腎でつくられるホルモンで、血液中にふんだんに含まれている。DHEAの働きは、女性ホルモンのエストロゲン、男性ホルモンのテストステロンをつくるのを助け、筋肉を増やし、体脂肪を減らし、骨をつくる、など、多彩だ。しかし、DHEAは、25歳くらいをピークに次第に少なくなって行き、80歳では、20歳のころの10%から20%ほどにまで減ってしまう。そのため、年を取ると、乳がん、前立腺がん、動脈硬化、高血圧、パーキンソン病、糖尿病などになりやすくなる、と言われている。それを、サプリメントで補ってやるのが、DHEA療法である。