2005年03月31日
衝突事故に遭った車の運転席に乗っていた人が、病院に運び込まれる。医師は、まず、被害者の胸部、あるいは、腹部に損傷があるかどうかを知ろうとするが、にわかにはわからないことが多い。検査結果が出るまでに、時間がかかるからだ。こんな時、被害者の体の状態をいち早く察知するいい方法がある、と、雑誌「救急医療紀要」最新号で報じられた。救急隊員は、事故車のハンドルを良く見て、ハンドルが曲がっていないかどうか、あるいは、凹んでいないかどうか、そしてその程度を良く調べて、病院に報告すれば、被害者が胸部、または腹部に損傷を受けかどうかがわかる、というのだ。この研究は、オレゴン健康科学大学の、クレーグ・ニューガード博士らの研究チームが行った。研究者たちは、過去8年間の自動車事故を調べて、運転席に座っていた4万2860人の診断記録と、衝突時の車内の様子に関するデータを集めた。その結果、例えば、ハンドルがゆがんだり、凹んだりしていると、運転していた人は、間違いなく、胸部、あるいは、腹部を強打して、損傷を受けていることがわかった、という。そして、そのゆがみの程度が、2インチ(約5センチ)増すごとに、運転者が受けた胸部、腹部の損傷の程度が28%増加していた。同博士は、「事故の被害者は、大至急処置しなければ命にかかわることが多い。事故車のハンドルから得られる情報で、病院側は、すぐに被害者の状態を知り、一刻も早く処置を施すころができるだろう。そうすれば、命が助かるケースが増えるだろう」と述べている。