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2005年03月30日

子どものがんは大気汚染と密接に関連

子どものがんは、工場などから排出される環境汚染物質と密接に関連している、とする新しい研究が、1月17日、イギリスで発表された。
発表したのは、イギリスのバーミンガム大学名誉教授のジョージ・ノックス博士で、雑誌「疫学と地域社会の健康」(EpidemiologyandCommunityHealth)で報告された。同博士は、1960年から80年にかけて、子どものうちにがんで死亡した子どもの出生と死亡の住所に関する記録を入手し、英大気汚染局が作成した「大気汚染マップ」と対比させ、その間の関連を探った。その結果、工場など大気汚染物質の排出源となっている場所、つまり、大気汚染が最もひどい場所から、1キロ以内で生まれた子どもは、他の場所で生まれた子どもと比較して、16歳までに、がんで死亡する割合が、2倍、ないし、4倍であることわかったという。
「このように、若くしてがんで死ぬ子どもの出生の住所は、大気汚染地域と重なる。母親の体内にいるときに、母親を通じて発がん物質にさらされたのが、発がんのもとであると思われる」と同博士は述べている。同博士はさらに、「母親の体内を通じて胎児が受ける汚染物質で、最も危険度が高いのは、内燃機関などから発生する一酸化炭素、合成ゴムの製造に使われる1、3-ブタジエンなどである。この他、酸化窒素、ベンゼン、ベンゾピレン、ダイキシン、などが問題になる。おそらく母親が、これらの物質を吸収して、胎盤を通じて胎児に伝わったと思われる」と同博士は言っている。このノックス博士の研究について、イギリスのある学者は、「子どものがんのほとんどが、母親の体内で受けた大気汚染物質である、とするのは根拠が薄弱である。例えば、子どものがんで一番多い白血病は、ある種の感染症が原因であるとする説もある。また、遺伝的な要因を問題にする学者もいる」とコメントしている。しかし、ノックス博士は、「子どものがんは、一般的にはまれで、発生率は1000人に1人の割合である。しかし、汚染が進んでいる地域で生まれた子どもでは、がんにかかっている割合が、1000人に3人ないし4人となっている。このことだけでも、子どものがんは、大気汚染物質と深く関連していることは間違いない」と述べている。