2005年03月29日
前立腺がんの診断には、普通、血中の腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)を測定する。
この測定値が「4」(1ミリリットル当たり4ナノグラム)以下ならがんの心配はない。「4~10」ならグレーゾーン、10以上でがんの可能性が非常に高くなる。ところが、テキサス大学健康科学センター(サンアントニオ)のイアン・トンプソン博士によると、肥満の人は、PSA値が、普通の人よりも低く表示されるという。例えば、肥満の人のPSA測定値が3と出ても安心はできない。本当は5なのかもしれないからだ。この研究で、同博士らは、前立腺がんのない男性2779人のPSAを測定し、各人のBMI(ボディ・マス・インデックス)との関係を調べてみた。その結果、BMIが高い人ほどPSA値が低く表示される傾向がわかった。とくにBMIが40以上の人は、普通の人のPSA値より、3分の1ほども低く表示された、という。PSA値は、人種や年齢によっても、やや異なった値を出すことが知られており、この研究では、被験者の人種、年齢を考慮に入れて、測定値を調整した。BMIとは、肥満度を知るための目安で、「体重(キログラム)÷身長(メートル)の二乗」で算出される。例えば、体重60キロ、身長1、5メートルの人の場合は、60÷(15×15)=26、6がBMIとなる。BMIが25以上だと「太り過ぎ」、30以上だど「肥満」と言われている。この研究結果から、PSA値で前立腺がんを診断するさいには、検査を受ける人が肥満であれば、本当のPSA値は、実際の測定値よりも高く、大いに太っている人では、15倍くらい違う、と考えて診断すべきだろう、と研究者たちは言っている。なお、この研究は、雑誌「がん」(Cancer)3月号に掲載される。