2005年03月09日
抗酸化物質として知られているサプリメント(栄養補助食品)には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、セレニウム、亜鉛がある。これらのサプリメントは、長期的に見て、がんを予防する効果があるかどうか、をテーマに、フランスの科学者が大がかりな試験を行った。その結果が、米誌「内科学紀要」(ArchivesofInternalMedicine)2003年11月22日号で発表されたが、結論として、男性に対してがん予防効果が認められた、という。
この試験は、1万3017人のフランス人男女を対象に、任意抽出、二重盲検法によって行われた。内訳は、35歳から60歳の女性7876人、45歳から60歳の男性5141人。被験者を、実際にビタミン、ミネラルを与えたグループと、偽薬を与えたグループに分けて、平均7年半継続した。与えたのは、一日当たり、ビタミンC(アスコルビン酸)が120ミリグラム、ビタミンEが30ミリグラム、ビタミンA(ベータカロチン)が6ミリグラム、セレニウムが100マイクログラム、亜鉛が20ミリグラム。7年半経過した時点で調べたところ、この間にがんが発生した人は、ビタミン類を与えられたグループでは267人(4.1%)、偽薬組では295人(4.5%)で、統計的には違いはなかった。しかし、これを性別で見ると、ビタミン類を与えられた男性は、偽薬を与えられた男性より、がんにかかった割合が31%も小さく、明らかに、抗酸化サプリメントが、がん予防に有効であったことが証明された。なぜ抗酸化サプリメントが男性だけにがん予防効果があったのか、について、研究者たちはこう説明している。
男性は女性と比べて、日ごろから、野菜やフルーツ類を食べることが少ない。したがって、抗酸化物質の摂取量が少ない、実際、この試験を始める前に調査したところでは、男性は女性に比べて、ビタミンAとビタミンCの摂取が全般的に低かった。そこへ、試験に参加して、抗酸化ビタミン、ミネラルを、毎日規則正しくとるようになったので、がん予防効果がはっきり出たのだろう。なお、この研究で使われた抗酸化サプリメントの用量は、普通この種の試験で使われる量よりも少なかった。研究者は、これは、通常、野菜やフルーツを積極的に食べる人が摂取する抗酸化物質の量に見合うようにしたためである、と説明している。「とにかく、野菜。フルーツの摂取を増やすようこころがけることが、がん予防だけでなく、健康維持に大いに欠かせない」と研究者たちは結論づけている。なお、アメリカでは、ビタミンA、C、E、セレニウムの4大抗酸化サプリメントを、「ACES(エーシーズ)」と呼んで、積極的に利用している人が多い。