2005年03月08日
使用済みのプラスチックボトルを使って、水やジュースなどを凍らせたり、マイクロウエーブオーブン(電子レンジ)に入れたり、飲み物を保存するのに利用する人がいるが、そのために、プラスチックから猛毒のダイオキシン(dioxin)が放出されるのではないか、と心配する向きがいる。
インターネットの「掲示板」など、好きに意見を述べたり、苦情を伝えたり、情報を交換したりするサイトに、時々、プラスチックボトルを再使用した場合の安全性に関する不安の声が出されている。本当だろうか。ダイオキシンは、燃焼の過程でできる化合物で、工業生産の副反応として合成されてできる。
ベトナム戦争(1961年~73年)で、米軍が枯葉作戦にダイオキシンを使って悪名高い毒物として知られるようになった。昨年(2004年)11月には、ウクライナの野党大統領候補、ビクトール・ユシュチェンコ(再選挙で当選)が、ダイオキシンを使った毒殺の標的となって、世界の耳目を集めた。ダイオキシンは一般環境のなかに広く存在し、微量ではあるが、ほとんどの生物に蓄積されている。工業生産の過程で副産物としてできたダイオキシンが、大気に放出されて、これを吸い込むか、あるいは、食物連鎖のなかに取り込まれて、生き物が口に入れるからだ。ジョンズホプキンス大学(米メリーランド州ボルチモア)のダイオキシンの権威、ロルフ・ハルデン博士によると、プラスチックボトルのなかに含まれるダイオキシンが、ボトルの再利用によって、放出される可能性はあるという。しかし、それは、非常に高い温度のもとにに置かれた場合で、普通の生活環境の中の水に、プラスチックからのダイオキシンが滲出する恐れはまずない、と考えてもいい、と言う。また「マイクロウエーブ・オーブンで使用可」とされている容器では、ダイオキシン放出の心配はない、と同博士は言っている。