2005年03月04日
米オーボーン大学(アラバマ州モンゴメリー)で社会学を教えるキンバリー・ブラケット博士らが、大学生相手にこんな実験をした。
約250人のフロリダ大学の学生に「どこの店でもいいからコンドームを購入して、その体験記を書くように。どうしても買えないならそのわけを記すように」と指示した。
学生たちのうち、まず7人が「宗教上の理由でこの実験には参加できない」と断った。おそらく産児制限を禁じているカトリック教徒なのだろう。その後さらに25人の学生が「私はどうしても買えない」といって脱落した。理由は単に「いやだから」。
結局、実際にコンドームを買って体験記を書いたのは、男子学生78人、女子学生176人だった。
雑誌「社会科学ジャーナル」(Socail Science Jorunal)に掲載された実験結果によるとと、実際にコンドームを買った学生も、大半は、その時の感想として、「困った」「気恥しかった」などと書いている。
とくに、男子より、女子の方にためらった学生が多かった。ほとんどの学生が、コンドームを買うのは初めてのことだったのだ。
そこで、学生たちは、コンドームを買うときに、どんな戦略を取ったのだろうか。これが実はこの社会学者たちが最も興味を寄せていることだったのだ。
体験記によると、学生たちはまず、コンドームを買う時には、一人で行くのではなく、友人を誘って行った学生が多かった。
店内では、自分と同性の店員を選んでいた。また、店内の他の客も気にしていて、なるべく他の客がいなくなるのを見計らって、コンドームを買っていた。そして、男女とも、買ったコンドームの箱をできるだけ人目につかぬようにしている。あるいは、他の品物も一緒に買って買い物袋に入れ、コンドームから気をそらすようにしていた。
学生のなかには、「(これは自分が欲しいからではなく)他人に頼まれて買うのです」と、聞かれもしないのに店員にそう言った学生も多かった。
そこで、ブラケット博士は、この実験から、若い人が気安くコンドームを買うには、どうすればいいかそのヒントが得られたという。
つまり、「自分のためではなく他人に頼まれて買うのだ」と自分に言い聞かせ、店員にもわかってもらうようにすればいい、ということがわったというのだ。
そう、この実験は、エイズなどの性病予防のためにも、できるだけコンドームを使うようにさせるためには、まず、どうすれば買いやすいか、をさぐるための研究だったのである。