2005年03月06日
中国が、一夫婦の間で生まれる子どもの数を一人に制限する、という「一人っ子政策」を実施しているが、そこでいつも問題になるのが、「一人だけなら男子がほしい」という親の願望である。将来、親の面倒をよくみてくれるのは男の子だから、というのがその理由と言われている。
そこで、女の赤ちゃんを妊娠したら、中絶して、次の妊娠で男の子を期待する、という風潮が強くなり、その結果、最新の政府統計によると、中国で生まれる赤ちゃんは、女の子100に対して男の子119となっている。このアンバランスが、ますます拡大する傾向が強くなったため、中国政府は、このほど、「選択的中絶」を違法とみなし、刑罰を課することにした、と国営の新華社通信が1月6日伝えた。それによると、刑罰の内容は明らかでないが、中国政府の人口家族計画委員会は、すでに、そのための刑法改正案作成に着手している。
刑法改正の眼目は、正当な医療目的以外に、妊婦中の胎児の性別を探知したり、(例えば女の子だらからといって)選択的に中絶することは違法とされる。そして、2010年をめどに、新生児の性別アンバランスを解消することを目標としている。新華社通信によると、中国政府の調査によって、明らかに女の子であることを理由に中絶したケースが、過去2年間に3605件把握されている。国家の健全な経済発展のためには人口抑制が不可欠、として、中国が「一人っ子政策」を始めてから30年になる。この政策のもとでは、二人、または、それ以上の子どもを持つと、罰金が課せられ、仕事を奪われ、場合によっては、強制的に去勢手術を受けることになる。この中国の強引な人口抑制政策に対して、アメリカはじめ、いくつかの外国から、人道にもとる、として、抗議が寄せられ、廃止するよう圧力がかけられている。例えばアメリカは、中国政府の家族計画政策を支持している、国連の「国連人口基金」(UNPopulationFund)への拠出を、過去3年間支払っていない。が、中国側は、もし一人っ子政策が実施されていなかったら、中国の人口が、今よりも、少なくとも2億人は増えていたと言って、一人っ子政策は今後とも継続させる方針を貫いている。そして、女の子への差別をなくすために、政府は、女の子のいる家庭に優先的に住居を割り当て、学校の授業料を免除し、就職を斡旋したりして、あの手この手で、生まれてくる子どもの性別アンバランス解消に努めている。奇しくも、1月6日、中国では13億人目と言われる赤ちゃん(男)が誕生し、これを祝う行事が行われた。