2005年03月19日
米がん協会(AmericqnCancerSociety)が、1月19日発表した報告によると、アメリカでがんの患者の死亡率が、この10年ほどの間に、ぐんぐん下がっている実態が明らかになった。
それによると、2004年には、全米で136万8000人ががんを発病し、56万3700人ががんで死亡した。この死亡率は41.2%だが、この割合は、男性では1993年以降、年平均1.5%の割合で下がり、女性でも1992年以降、年0,8%の割合で下がっている。5年生存率(がんと診断されてから5年間生き長らえた人の割合)で見てもこの傾向がわかる。
最新のデータが出ている2000年で、すべてのがんを合わせた5年生存率は、64%だった。これは1976年の5年生存率が50%だったのと比べると、大きく改善されていることが歴然としている。今後2001年以降のデータが出れば、この数字は、さらに良くなっていると思われる。
このように、がんになっても、死ぬ人の割合が減ってきたのはなぜだろうか。同協会のサーベイランス部長のエリザベス・ウォードさんは、「何と言っていも、禁煙が広がったおかげ。たばこは、肺がんだけでなく、他のがんの発生にも、直接、間接に影響を与えている」と答えている。彼女によると、発がんの原因を大別すると、3分の1は喫煙、3分の1は不健康な食事、あとの3分の1は運動不足、肥満、遺伝的な体質、ウイルスなどによる感染、などである、という。報告では、このほか、最近のアメリカにおけるがんの最新事情を、次のように述べている。「男性の3大がんである、肺がん、前立腺がん、大腸がんの死亡率が、はっきり減少傾向にある」「しかし、男性の肝がん、食道がんは、逆に増加傾向にある。これは、肥満が増えたことと関係しているかもしれない」「乳がんについては、診断、治療技術の進歩で、患者数は増えているが、死亡率は減っている」「女性の大腸がん、子宮頸がんについては、スクリーニングが進んで、早期発見、早期治療が成果をあげている」「女性の甲状腺がんは増加傾向にある。2004年には、1万7604人の女性が甲状腺がんにかかったが、2005年には、これが、1万9190人に増える、それによって、860人が死亡する、と予測されている。甲状腺がんが増えているのは、診断技術の進歩もさることながら、医療用に使われる放射線照射が増えていることとも関係している」「遺伝的な原因で発生するがんは全体の5%である」「ウイルス感染が原因でがんになるケースは、世界的に見て、新たに発生したがんの17%と推定される。この中には、B型、C型肝炎ウイルスによる肝がん、HPV(ヒトパピロマウイルス)による子宮頸がん、ヒトヘルペスウイルスによるカポジ肉腫(エイズ患者に多い)などがある」
また、報告では、2005年に発生が多いと予測されるがんについて、以下のように述べている。
●前立腺がん(予測発生数23万2090人、予測死亡者数3万350人)
●乳がん(21万2930人、4万870人)
●肺がん(17万2570人、16万3510人)
●大腸がん(10万4950人、5万6290人)
●メラノーマ(5万9580人、7770人)