2005年02月20日
乳がんになりやすくさせている遺伝子は、これまでも、いくつも見つかっている。そういう遺伝子を持っている人は、乳がんになるリスクが高いので、気をつけるよう言われている
よく知られているのが、「BRCA 1」「NRCA 2」と言う遺伝子で、この他に、「P 53」、「ESR 1 」「ESR 2 」がある。
ニューヨークにある「スローンケタリングがんセンター」(Memorial Sloan- Kettering Cancer Center )のがん遺伝学者、ケネス・オフィット博士らの合同研究チームは、乳がんを持っている1004人の女性と、乳がんを持っていない613人の女性から採取したDNAを調べて、新しい乳がん遺伝子をいくつか発見した、と雑誌「がん研究」(Cancer Research )で報告した。
そのうちの一つは、50歳以上の女性に乳がんを起こさせる遺伝子だが、黒人の女性にはこの遺伝子はごくまれだという。
もう一つは、アシュケナジウムと呼ばれる中部、東部のヨーロッパのユダヤ人の女性に、特異的に乳がんを発生させる遺伝子だ。
この2つの遺伝子はいずれも、「ESR 1 」遺伝子のDNAが一部変化してできたものである。
同時に、はやり「ESR 1 」遺伝子のDNAがほいほんの少し変化してできた3つの遺伝子を研究者たちは、発見したが、これらは人種や種族や年齢を問わず、乳がんの発生を抑える働きがあるという。
「乳がんの発生を抑える遺伝子が見つかった、というのは驚きであるととともに、うれしいことだ」と、米がん研究所(NCI)のバート・ゴールド博士は話している。
いずれにしても、これらの新しい乳がんの発見で、乳がんの遺伝性がますます濃厚になったわけで、研究リーダーのオフィット博士は、「いまや、家系が関係している乳がんの半数は、主要な乳がん遺伝子である「BRCA 1」、「NRCA 2」以外の遺伝子によると考えてもいい」と述べている。
また、同博士は、「乳がん遺伝子の働きは、女性ホルモンのエストロゲンが乳がん細胞に及ぼしている影響と深く関連しており、乳がん遺伝子の働きを極めれば、エストロゲンを調節できるようになって、乳がんの新しい治療薬の開発にもつながるだろう」と、製薬関係者にメッセージを送っている。
など。この合同研究チームには、スローンケタリングがんセンターの他に、MIT(マサチューセッツ工科大学)、バンデビルト大学医学部など、5つのがん研究機関が参加している。