2005年02月22日
睡眠時間と食欲との関係を調べた2つの研究が相次いで発表され、いずれも、睡眠時間が短いと、食欲が増進することがわかった、と報告している。
その一つは、シカゴ大学のイブ・バンコーター博士らが行った研究で、「米内科学雑誌」(Annals of Internal Medicine )最新号に掲載された
ここでは、若い男性12人を対象にある実験をした。被験者の一晩の睡眠時間を4時間に制限して、これを2日続けてから、被験者の食欲を増進させるホルモンを測定したら、28%増加いていた。一方、食欲を抑制するホルモンは18%減少していた。
実際、被験者に聞いたところ、全員が「睡眠不足の状態になると、食べたい気持ちが強くなった。とくに、炭水化物が多い、あるいは、脂肪分などカロリーが多い食べ物が欲しくなった」と答えた。ところが、同じ被験者に、今度は十分睡眠を取らせたら、とくに食欲が強くなった、と言うことはなかった。
もう一つの研究は、「科学と医学の公共図書館」(Public Library of Science/Medicine)という名前のオンラインの雑誌で報じられた研究で、そこでは、1024人の被験者の睡眠時間とホルモンとの関係を調べた。
その結果、睡眠時間が平均5時間、または、それ以下の人は、睡眠8時間の人より、睡眠を抑制するホルモンの量が15%少なく、逆に、睡眠を刺激するホルモンの量が15%多かった。
この2つの研究結果について、バンコーター博士は、「睡眠不足の状態に置かれると、人間は食欲が増進することがわかった。近来、アメリカで肥満が増えて大きな問題となっているが、同時に、人々の睡眠時間が短くなっていることも確かだ。この2つに間には、関連があると見てよさそうだ」と話している。
さらに同博士は、「寝不足時代の肥満問題、と言えるだろう。体重増が気になる人に申し上げたい。睡眠はたっぷり取りなさいと。もし睡眠不足だなと思ったら、余分に眠るなどして、必ず埋合せをしておくことだ。それでも睡眠不足になって炭水化物の多い食事が欲しくなったら、断固食べてはいけない。それでも食べてしまったら、すぐに運動をして、余分なカロリーを燃焼させるように心がけだない」と注意している。
では、なぜ睡眠が足りなくなると食が進むのだろうか。専門家はこう説明する。
「睡眠不足の状態になると、たとえ一時的であっても、人間の脳は、これを個体維持にとって一つの危険信号と受け止める。そこで脳は、食欲を刺激する指令を出して、カロリー摂取を増やすよう促す。これはちょうど、食料が不足して十分食べられない状態になると、性的衝動が起きて、子孫の確保の方に向かうのとよく似ている。これが、貧乏人の子だくさん、あるいは、貧乏国の人口問題につながっている」