2005年02月17日
肺がんの死亡率が高いが、助かるかどうかの決め手は、早期発見、早期治療であると言われている。
普通、肺がんの検診は胸部エックス線撮影で行う。が、ここで肺がんが見つかるのは、肺がんがかなり進行している場合が多く、それだけ、治療効果が上がらなくて、死亡する割合が高くなる。
そこで、エックス線撮影でなく、CTスキャン(コンピュータ断層撮影)を使って検診すると試みが行われ、その結果が、11月末、シカゴで開かれた「北米放射線学会」で発表された。
それによると、CTを使うと、肺がんの早期発見の割合がうんと良くなり、それによって、治療成績も向上した。
この研究は、「国際早期肺がん行動プロジェクト」(International Early Lung Cancer ActionProject)と言う国際計画の一環として、ニューヨークのワイルコーネル医学センターの研者者によって行われた。
研究者たちは、肺がんのリスクが高いと思われる人2万7000人を対象に、1993年から2004年にかけて、CTスキャンでスクリーニングした。
その後、被験者を追跡調査したところ、約400人に肺がんが見つかったが、いずれも、初期の症状だった。
そこで、肺がんと診断された人に外科的治療法を施し、経過を観察したところ、生存率は98%ときわめて好成績で、再発した症例はゼロだった。
研究リーダーのクラウディア・ヘンシュク博士によると、統計から推定すると、この人たちは、もしCTスキャンで早期発見されていなかったら、30%から40%が5年以内に死んでいただろう、と言っている。
このように、CTスキャンによる検診が実施されたら、肺がんによる死亡者が大きく減少すると期待される
が、難点は、やはりコストだ。
従来の胸部エックス線撮影が1回当たり40ドルから80ドル(4000円から8000円)なのに対して、CTを使うと、一回300ドル(3万円)もかかるという。
米がん協会によると、現在、アメリカで肺がんと診断された場合、ほとんどが後期まで進行しており、全体の5年生存率はわずか15%に過ぎない、という。
同協会では、今年(2004年)新たに肺がんと診断される人は、17万3770人で、肺がんによる死亡者は16万440人と推定している。