2005年01月17日
子宮頸がんは、とくに途上国では、女性のがん死のトップを占めている。
世界で、年間51万人がこの病気にかかり、半数が死亡している。先進国でも、例えばアメリカでは、毎年1万5000人がかかり、5000人が死亡している。
日本では、女性に発生するがんのうち、子宮頸がんは肺がんに次いで多く、普通子宮がんといわれているがんの90%以上は子宮頸がんだ。
原因は、HPV(human papilloma virus 、ヒト・パピロマウイルス)と呼ばれるウイルの感染で、主に性行為によって広がる。
子宮頸がんを引き起こすHPVにはいくつもの系統(種類)があるが、なかでも、「HPVー16」と「HPVー18」が全体の70%以上を占めている。
原因がウイルスなら、ワクチンが効くだろう、というわけで、いま世界中で。子宮頸がんワクチンの開発が盛んに行われているが、このほど、グラクソスミスクライン社が開発したワクチンが、臨床試験の結果、有望であることがわかった。この試験結果は、11月12日発行のイギリスの医学誌「ランセット」(The Lancet)で報告された。
この臨床試験は、アメリカとブラジルで行われた。被験者は、15歳から25歳までの女性1113人で、32ヵ所のクリニックで、2000年から始めた。
被験者を、ワクチンを与えた組と、偽薬を与えた組の2つのグループに分けて、27ヵ月間観察した。
その結果、偽薬組では10人が「HPVー16」に、4人が「HPVー18」に感染していたが、ワクチン組では、HPVウイルスに感染した人、あるいは、前がん症状が出た人はゼロだった。
グラクソスミスクライン社では、今年5月、4年間にのぼる最終段階の臨床試験を行うために、すでに被験者となる1万5000人の女性を決めている。
その結果次第で、子宮頸がんのワクチンが実用化される見通しである。
メルク社も、子宮頸がんワクチンの開発を進めており、予備的な試験では、「HPVー16」ウイルスに対して少なくも4年間は有効であることを確認している。同社は、来年(2005年)から、本格的な臨床試験を始める、と言っている。
このように、子宮頸がんワクチンの開発が順調に進んで、将来実用化されれば、天然痘やポリオ(脊髄性小児マヒ)のように、子宮頸がんも根絶される日がくるのも夢ではない、と関係者は期待している。