2004年12月01日
減量のためにはこういう食事がいい、と、さまざまなダイエットが世の中に出回っている。そして、それをめぐって、論争が絶えない。少し前までは、脂肪の摂取を減らすことが、肥満を防止し、減量を進める決め手だ。と言われて、「低脂肪」(low-fat)、「無脂肪」(non-fat)が、大手を振って、食品の表看板になっていた。ところが、昨今は、でんぷん質を食べるのを減らして、たんぱく質を好きなだけ食べよう、という「低炭水化物食事」(ローカーボダイエット、low-carbohydratediet)が一世を風靡しており、ローカーボならでは夜も日も明けぬ、と言わんばかりだ。こうした風潮に釘を刺して、まったく別の観点から、カロリー摂取を減らす食事を提唱している学者がいる。ペンシルベニア州立大学の行動健康学教授、バーバラ・ロールズ教授だ。最近開かれた肥満に関する国際学会で、彼女はこう発言した。「問題はカロリーです。つまり、食べ物に含まれている熱量です。ここでも熱力学の法則が働ています。食べ物として取り入れられたカロリーは、そのカロリー源が何であろうと、つまり、炭水化物であろうと、たんぱく質であろうと、脂肪であろうと、体が活動するために消費され、余ったら、体脂肪として蓄えられるのです。体は熱量をムダにしないのです。だから、減量のために有効な食事とは、全体としてカロリーを少なくすればいいのです」。それではどうするのか。彼女はこう続ける。「人間は、満足を感じるまで食べないと、気が済まないものです。だから、あれを食べるな、これを減らせ、と言われても、ただ制限されただけで、満足しない食事は長続きしません」そこで、満足とは何か、を知るために、ロールズ教授は、専門を活かして、人間の食事の行動を調べたところ、胃袋に入った食べ物の総量、すなわち、摂取したものの重さで、人間は満足を感じていることがわかった、という。「重さがあってカロリーの少ないもの、あるいはゼロのもの、を胃袋に入れれば、満足感あって、摂取カロリーを減らすことができる、と言うわけです。そこでだれでもすぐわかるのは水です。なるべく水分のある食べ物を多く食べることが、結果としてカロリーを減らすことになります。水分が多い食べ物と言えば、当然、野菜、果物です。野菜、果物をふんだんに食べることが、ヘルシーであると言う理屈はそこにあります」と博士は説く。さらに、食べる順序も考えなければんらない、と博士はいう。「はじめに、水、茶など水分を腹に入れておいて、あとから固形物を口に入れれば、早く満足感が得られ、トータルで摂取カロリーを減らせるというわけです。逆に、肥満をもたらず食事とは、エネルギー・デンシティー(熱量の密度)が高い食べ物です。密度が高い食事で満足感を得ようとすると、どうしてもカロリーが増えます」つまり、熱量の密度が高い食べ物で、満足感を得ようとすることに、問題がある、と博士は指摘するのだ。熱量の密度が高い食べ物といえば、バター、チーズ、ハム、ステーキ、ソーセージ、ローストビーフ、パスタなどアメリカ人が好む食事そのものだ。その点、東洋人の食事は、同じ肉料理でも、煮物にすることが多い。麺類が好きだ。主食のライスは、パンと比べると水分がかなり多い。総じて、東洋人は水っぽい食事を毎日食べている。だから、東洋人には肥満は少ない、ということになる。「水分を上手に胃袋に取り込んでおけば、好きなものを好きなだけ食べても、早めに満足感が得られ、摂取総カロリーを相当減らせます。これを毎日の食事の習慣にすれば、減量、肥満防止になるのです。そして、適正な体重を維持し、健康な体になるのです」とロールズ教授は言っている。