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2004年12月07日

経口避妊薬を使っている女性は、心臓病やがんになりにくい

米連邦政府のあと押しで行なわれた大がかりな調査で、経口避妊薬(ピル)を使っている女性は、心臓病、脳卒中になるリスクが小さく、また、これまでの通説に反して、がんにかかる割合も低くなることがわかった、という結果が出た。このよういな「ピルの効用」がわかったのは、16万2000人という史上最大級の数の女性を対象とし、全米40ヵ所で行われた、「女性健康イニシアティブ」(Women'sHealthInitiative)という調査で、経口避妊薬について行われた調査としても、これほどの数を対象としたものはかつてない。その調査結果は、10月19日に開かれた「米生殖医学会」(AmericanSocietyforReproductiveMedicine)の会合で発表された。発表した、ウェイン州立大学(ミシガン州)のラヒ・ビクトリー博士によると、経口避妊薬を飲んだことがある、と言う女性は、心臓病や脳卒中など、心臓血管系の病気にかかる割合が、全般的に8%低かったという。また、経口避妊薬を飲んでいる女性は、全般的に、がんにかかるリスクが7%小さかった。しかも、ピルを服用した期間が長い人ほど、がんにかかっていなかった。例えば、4年以上経口避妊薬を服用した女性では、卵巣がんの割合が42%、子宮がんが30%低かった。しかし、乳がん、大腸がん、膀胱がんについては、経口避妊薬を飲んでいる人と、飲んでいない人では発生の割合に違いはなかった。実は、この調査結果に驚いている人が多い。というのは、2年前(2002年)の、同じ「女性健康イニシアティブ」の調査で、閉経後の女性では、同じ女性ホルモンを使用すると、心臓病やある種のがんが増えることがわかったのである。このため、閉経後にホルモン療法を行っていた女性の間で、パニックが起き、ホルモン療法をする人がすっかり少なくなった、ということがあったからだ。つまり、女性ホルモン療法は、閉経後では心臓病が増えて、若い時では、逆に心臓病の予防になる、と言うことになったのだ。これについて、ウェイン州立大学のマイケル・ダイアモンド博士は「その理由はよくわからないが、われわれは、生物についてまだよく知らないことが多いということだ」と話している。経口避妊薬は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲスティンの組合せでできており、初めて世に出たのは1960年で、現在全米で1600万人の女性が使用している。