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2004年11月30日

脳の“可塑性”を証明

通常、視覚的な刺激を処理する脳の部分が、言葉を処理するセンターに変わることを、盲人を使った研究で示された。本来の機能を失った脳は、他の機能に変わりうることを証明した研究として注目されている。この研究は、「米国立神経障害脳卒中研究所」(NationalInstituteofNeurologicalDisordersandStroke)のアグネス・フロール博士が行ったもので、10月9日発行の雑誌「ネーチャー神経科学」(NatureNeuroscience)で報告された。それによると、博士らは、9人の盲人に協力してもらい、あるテストを行った。一連の名詞を聞かせて、その名詞に関連した動詞を答えさせるもので、例えば、「アップル」と言えば、「イート(食べる)」と答えさせた。そのテストの過程を、脳の動きでとらえ、正常な視覚をもつ人と比較して分析したところ、本来、視覚刺激を処理する視覚野の皮質(visualcortex)が、盲人では活性化しており、明らかに言語処理に使われていることが示された。このことから、研究者たちは、脳には、ある機能を失うと、その部分が、別の新しい機能に使われると言う、「可塑性」(plasticity)があることが証明されたとしている。被験者は全員、生まれたときから視力を失っていたか、生後まもなく視力を失った人ばかりだった。したがって、成長してからなんらかの原因で失明した人でも、脳の可塑性が証明されるかどうかはわからない、と研究者たちは言っている。先に、全盲の人は、普通の人と比べて、聴覚が10倍の鋭くなっている、という研究が発表されたが、この場合でも、視覚野の皮質が聴覚機能に変化していることが考えられる、と研究者たちは見ている。