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2004年11月23日

手術の最中に麻酔が切れる!--米団体警告

全身麻酔を受けて手術をされている最中に麻酔から覚めて、時に、耐え難い痛みに苦しむ事例があまりにも多いとして、アメリカの医療団体が全米の病院に改善を申し入れた。この団体は、医師など医療従事者や病院の資格認定などを行う「医療資格認定合同委員会」(JointCommissiononAccreditationofHealthcareOrganizations、JCAHO)で、その報告によると、アメリカでは毎年、全身麻酔をかけられた患者のうち、2万人から4万人が、手術の途中で覚醒し、その4分の1が、激痛に苦しんでいる、という。同委員会は、この事実を、全米4579の病院に通知し、改善を要請した。その経験者の一人は、「手術中に麻酔から覚めるなんて、こんなひどい経験はない」と怒りをぶちまけ、また、ある患者は「もう2度と手術なんかやらない」と、憤然としているという。同委員会のデニス・オレーリー会長は、「手術を受ける患者は、あらかじめ、手術中に麻酔から覚めるかもしれない、という警告を受けるべきだ。そして、手術中も、麻酔の効き目をモニターして、患者に覚めたかどうかを聞くべきだ。もし、麻酔から覚めるようなことがあったら、病院側は謝罪し、患者にカウンセリングをうける機会を与えるべきだ。患者側も、途中で麻酔が切れた、といって笑って過ごすようなことをしないで、ちゃんとそのことを訴えなければならない」と話している。手術中に麻酔が切れたことがわかっても、手術台の患者は、手も口もマヒ状態になってっいることが多く、その苦痛を医師に伝えられない場合が多いという。キャロル・ワイラーさん(53歳)(バージニア州レストン出身)は、1998年右眼の眼球摘出手術をうけたさい、手術中に麻酔から覚めて苦しい思いをした経験がある。眼球が引っ張り出され、切られて行く過程を全部覚えていて、医師が、研修医に指示している言葉まで良くわかった、という。この経験から、彼女は、「麻酔覚醒キャンペーン」(AnesthesiaAwarenessCampaign)という名前の患者擁護団体をつくって、この問題を社会に呼びかけている。「私がつらい経験をしてから、状況は全く変わっていません。JCAHOが、今度麻酔覚醒の問題で報告書を出し、改善運動に乗り出したことは大歓迎です。こんな経験は2度とほかの人にも味わってほしくない」とキャロルさんは話している。麻酔覚醒はどんな時に起きるのか。専門医によると、心臓病の手術、産科の緊急手術、重傷の外科手術などの場合で、患者の体力が、麻酔薬の必要量の投与に耐えられないと判断されて、少なめに投与した場合に、手術中覚醒が起きやすいという。また、麻酔薬の投与は、吸入と静脈注射があるが、医師は、麻酔作用期間が比較的短い静脈注射方式を選ぶことが多い。予期される副作用が起きないようにと、患者を早く麻酔から目を覚ましたいからだが、これが、早すぎる覚醒を招きやすい、という。米麻酔学会会長のロジャー・リトウイラー博士は、「手術中覚醒は、そんなに多くは起きていないのだが、問題があることは承知している。JCAHOの警告を肝に銘じて、各病院は、この問題に対して、もっと目を覚ましてほしい」と語っている。