2004年11月26日
1年前(2003年10月)、コロラド大学健康科学センターのジェームズ・ヒル所長が、「歩く歩数を毎日少しずつ増やして、食べるカロリーを毎日少しずつ減らそう」という運動を提唱した。国民の3分の2が「太り過ぎ」と言われ、肥満が最大の健康問題となった事態を、何とか解決するために、だれでも、いつでも、費用をかけずに、実行できることは何か、と考えて編み出した提案だった。「アメリカ・オン・ザ・ムーブ」(AmericaontheMove、からだを動かすアメリカ)と名づけられたこの運動は、何も目新しいことではないし、中身も漠然としているが、これが、意外と反響を呼んで、いま、全米に広がりつつある。「私どももやっています」という報告が次第に増え、いまや、全米50州のうち、23州から「グループができました」とその活動状況が伝えられ、参加登録者は、30万人に達した。この運動に賛同して協力を申し出ている医療機関や団体もある。有名な「メイヨークリニック」や「米家庭医学会」(AmericanAcademyofFamilyPhysicains)なども参加した。運動に参加している人たちの歩く歩数はわずか2000歩、減らしたカロリーは100キロカロリー、という報告もある。「このわずかな運動と食事制限が、全米規模で長期に続くと、太り過ぎ追放の大きな原動力になる。もちろん、もっと歩き、カロリーを減らせば言うことはないが」とヒル所長は言っている。同所長によると、1日2000歩増やすだけで、100、ないし、200キロカロリーを減らすことができる、という。連邦政府機関の「CDC」(米疾病管理予防センター)は、昨年、1日に1万歩歩きなさい、と国民に呼びかけた。これは、大人の足で5マイル(8キロ)に相当する。これについて、ヒル所長は、「これじゃだれも実行できません。何しろ、全米で一番肥満が少ないと言われているコロラド州の人たちでも、1日に歩く歩数が、平均3000歩ですからね。いきなり1万歩けといわれても、無理でしょう。実行可能なところから始めなくてはいけません」と話している。