2004年08月07日
世界的に見て、このところ女性のエイズが劇的に急増している実態が、国連機関によって明らかにされた。国連女性開発基金(UnitedNationsDevelopmentFundforWomen)が、7月9日、バンコクで開かれた「第15回国際エイズ会議」(15thInternationalAIDSConference)に提出した報告によると、エイズにかかっている人のうち、成人女性が占める割合が、1985年には35%だったが、昨年(2003年)には48%に跳ね上がった。また、15歳から24歳までの若い世代のエイズ患者のうち、その60%が女性であるという実態も明らかにされた。これついて、同基金の性とエイズ問題に関する顧問であるステファニ・ウルダング氏は、記者会見して、女性にエイズが急増しているのは、女性が経済的に独立していないことと、大いに関係している、と次のように説明している。「世界的に見て、女性はまだ、社会的に劣等な地位に置かれ、常に男性の暴力におびえている。家族にエイズ感染者が出ると、その世話をするにのは女性だ。だから、エイズに感染しやすくなる。女の子は、家族の世話をするために、学校を中退させられ、たとえ、自分自身がエイズにかかっていても、男性よりもはるかにきつい労働を強要されている。とくに、夫と別れた女性は、セックスのための人身売買の対象となりやすい。彼女らは、経済的に自立していないから、絶対的にお金が必要であり、男性の要求を拒否できない。したがって、エイズが心配でも、相手にをコンードーム付けて、と要求できない。安全セックスのために、話し合うことさえもできない。そのために、エイズに感染する。女性が、エイズにもっとも感染しやすくなるのは、当然のことだ」
国連の報告書によると、エイズ感染の女性の77%は、サハラ以南のアフリカに住んでおり、女性とエイズの問題が常に問題になるのはアフリカだ。アフリカの国のなかでも、ウガンダ、セネガルなど、女性をエイズから守ることを政治公約にして取り組んでいる国もあるが、その解決のための道はほど遠い、というのが実情である。さらに、最近では、アメリカでも、不平等な地位に置かれている女性が、エイズにかかりやすくなっている、と報告書は指摘している。アメリカでは、エイズ感染者に占める女性の割合が、2001年から2003年までの間に、20%から25%に増加している。エイズ女性の80%は、アフリカ系のアメリカ人(黒人)で、やはり、経済的に独立していない女性に感染者が多い、という。
また、アメリカでも、女性は十分で適切なセックス教育を受けていない、という問題もがあり、米政府は女性に対して、あらためて、コンードームを使用するよう相手に供給する教育を徹底させる、としている。国連報告書では、女性とエイズの問題で、アジアが第2のアフリカになりつつある、ことを指摘している。女性の経済的貧困、教育程度の低さ、劣等な社会的地位という点で、アジアはアフリカに似ている、というのだ。とくに、カンボジア、ミャンマー、タイの女性に問題が多い、そもそも、エイズとは何か、をよく知らない女性が多い、と報告書は指摘している。