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2004年07月23日

製薬会社の影響力を排除へ--米医師会

米医師会(AmericanMedicalAssociation=AMA)は、このほどシカゴで開いた年次総会で、医学研究や医師が行う薬の処方に、製薬会社が隠然たる影響力、圧力及ぼしている実態について議論し、それを排除するための提案を行った。どこの国でも、製薬会社が、医師の医療行為に影響を与えていることは周知の事実だが、医師会自身がこれを公然と重視し、その排除のための方策に動き出したのは、これまでになかったことだ。この動きのきっかけとなったある事実がある。最近、抗うつ剤を使った子どもに自殺が多い、ということが明らかにされた。この問題が大きくなったことにより、米政府当局が調査に乗り出したところ、実は、関係製薬会社が、子どもの自殺に関するのデータを持っていたにもかかわらず、これを隠していた事実が判明したのだ。この問題を踏まえて、医師会は、医薬品に関する研究の結果は、細大もらざず、すべて公表することを提案している。また、総会では、「シャドウイング」(shadowing、影のように付き添う)と言われている慣習についても取り上げた。シャドウイングとは、医師が外来の患者を診ている間、製薬会社の代表がその場に同席し、医師のそばにいて影のように付き添うことを言う。製薬会社の代表は、自社の製品の売上げを伸ばすため、医師がどういう薬を使うか、あるいは処方するか、を“監視”するのである。その代わり、シャドウイングを許した医師に、製薬会社は、謝礼として多額の金銭を支払うのである。その額は、一日当たり数百ドル(数万円)に上っている。米医師会は、当然、これは悪しき慣習であり、医師は製薬会社の“同席代”を受け取るべきではない、との立場を鮮明にした。しかし、全米25万人の医師の集まりである米医師会は、従来から、議論はすれども、なかなか合意がまとまらないのが実情だ。これらの「製薬会社の影響力排除」に関する提案も、議論の途中で、タナ上げされたり、修正されたりして、骨抜きになるおそれがある、と指摘する向きもある。医師と製薬会社との長年の癒着は、一朝一夕で排除できないだろう、というのだ。このほか、医師会総会で議論された問題には、青少年犯罪者の処刑の是非、増える一方の肥満問題、臓器提供の意思が明確でない患者からの移植のための臓器摘出問題、などがあった。