2004年07月08日
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しているかどうかを調べると、エイズに感染しているかどうかがわかる。そのために、従来から行われている検査では、まず、血液を採取して調べ、結果が出るまでに何日もかかる。ところが最近、血液も取らず、綿棒で口の中の歯ぐきの細胞をこすり取るだけで、わずか20分でエイズ感染の有無がわかる、というスピード検査法ができた。昨年(2003年)11月、FDA(米食品医薬品局)の承認を得て、新検査法はすでに、アメリカの大病院や規模の大きいクリニックで使われているが、米政府は、この検査を本格的に拡大して、各地の中小の医療機関で実施できるようにすることにした。6月25日、この方針を発表したトミー・トンプソン厚生長官は、「HIV検査は、いまや、非常に容易となり、だれでも簡単に受けられる時代に入った」と述べた。「オラクイック」(OraQuick)と名づけられたこのスピード検査法は、「オラシュア・テクノロジー社」(OraSureTechnologiesInc)の製品。口の中から採取された細胞を、検査用の小瓶に入れる。瓶の小窓に赤紫色の線が現れると、HIVに感染していることを示す。わずか20分で結果がわかるので、受診者は、その場で待っていればいい。正確度は99%だが、スピード検査法で陽性と出たら、さらに実験室で詳しく調べて、本当に感染しているかどうかを確認する必要はある。新検査法では、血液を扱わないから、気安く検査を受けられるし、検査をする側の人たちも、血液にふれて感染する心配がない。これまでの方法だと、エイズ検査を受けて、結果がわかるまで何日もかかるので、結果を聞かない人が大勢いる。こうした問題も新検査法ではほとんどなくなると見られている。アメリカにはエイズ感染者が推定85万人から95万人いると見られているが、その4分の1は、自分がエイズに感染していることを知らない、という。手間ひまがかかる検査法にもその原因があると言われており、新しいスピード検査法が広く使われるようになると、エイズ予防に大きな力になると期待されている。