2004年07月01日
日本では、生まれる子どもの割合が極端に減少し、このまま行くと、労働力の不足、さに、高齢者の年金を支える基盤が崩壊するおそれがある。日本の厚生労働省が6月10日発表したところによると、日本の女性が生涯に生む子どもの数の平均を示す出生率が、2003年は1.29で、前年(2002年)より0.03下がり、最低を記録した。日本の出生率は、すでに、世界でもっとも低い水準にあるが、これがさらに進行している実態が明らかになったわけだ。日本政府は、年金の基礎となるデ-タを算定するにさいして、2003年の出生率は、2002年と同水準の1.32と推定していた。さらに、出生率の減少は、2003年で下げ止まりとなって、2007年には1.35まで回復する、と見ていた。しかし、2003年は、実際はこれより低い1.29だった。言い換えれば、この年に生まれた子どもは112万人と、前年より3万3000人少なくなってしまった。政府は、この事態を重く見て、対策を建て直す必要に迫われている。まず、このまま行くと、若年層で支えられている日本の年金制度が崩壊するおそれがある。そこで、年金の保険料率を引き上げる一方で、年金の支給額を減らすことになりそうだ。ではなぜに日本では、子どもが少なくなったのだろうか。まず、若い世代の結婚観、家庭観が変わってきたことがあげられる。かつては、結婚すれば、子どもを生み育てるのが当たり前だった。しかし、住居費が高く、また、教育に金ががかかる、というわけで、子どもの数を減らす傾向が強まった。さらに、かつては、働く女性は、結婚したり、子どもが生まれると、勤めをやめるのが当たり前だったが、近ごろは、子どもができてもやめない女性が多くなった。一方で、母親がいなくても子どもの面倒を見る施設が少なく、また会社もそのためのサ-ビスを施していないため、勤労女性は子どもをあまりつくらなくなった、という。しかし、もっと大きな流れとして、個人の生活水準が上がり、欲望が満たされると、子どもの数が減る、という生物学的一般則を指摘する専門家もいる。すなわち、一般に、生物は生きていくためにいくら努力しても、どうしても生活が満たされないと、次世代に希望を託すために、子どもを多く生むようになる。「貧乏人の子沢山」というわけだ。国レベルでもそれが言える。逆に、成熟した国では、次世代に希望を託すために子どもを生むのではなく、愛情の対象として子どもをもつようになる。そうなると、子どもの数は少なくてもいいことになる。すでに、ヨ-ロッパの先進国では、以前から少産化が進み、例えばイタリアの出生率は1.24、ドイツでは1.29となっている。先進国で例外はアメリカで、出生率は2.13となっている。黒人などマイノリティが子沢山であること、移民、とくに中南米からの移民が多いのもその一因と言われている。