2004年05月22日
母乳で育てられた赤ちゃんは、人工栄養乳の赤ちゃんよりも丈夫に育つ、ということを証明する研究成果が、また一つ加わった。
この研究は、ノ-スカロライナ州にある「米国立環境健康科学研究所」
(NationalInstituteofEnvironmentalHealthSciences)の疫学者、ウォルタ-・ロ-ガン博士らが行ったもので、5月2日、サンフランシスコで開かれた「2004学術小児科学会」
(2004Academic Pediatrics Societies)の会合で発表された。
また、雑誌「小児科学」(Pediatrics)5月号にも掲載されている。
それによると、1988年に抽出した全米サンプルで、生後28日から1年の間に死亡した赤ちゃん1204人と、この間に死ななかった赤ちゃん7740人を調べて、母乳で育てられた赤ちゃんの死亡率が20%低いことがわかった、という。同博士は、「これまで、母乳の赤ちゃんは、乳児突然死(SIDS)が少ない、など母乳の効用がいくつも報告されているが、乳児死亡率(生後1年間の死亡率)が明らかに低いことが示されたのは初めてである」と述べている。
では、母乳の赤ちゃんはなぜ死亡率が低いのか。その理由ははっきりはわらないが、母乳で育てられると、赤ちゃんの免疫システムが強化されて、細菌などによる感染から守られることは間違いない、とされている。さらに、母乳で育てると、母親が赤ちゃんのそばにいる時間が当然長くなるので、赤ちゃんが事故に遭遇することが少ないことも、赤ちゃんのためになっている、と指摘する人もいる。「母親がそばにいるだけで、赤ちゃんは安心し、外界から守られ、丈夫に育つのにです」とロ-ガン博士は言っている。
また、ロチェスタ-大学医学部のル-ス・ロ-レンス小児科教授は、「医師など医療に携わっている人は、女性によく説明して、子どもを生んだらなるべく母乳にするよう、説得すべきだ」と語っている。
なおアメリカでは、赤ちゃんが生まれてから1年間、ずっと母乳だけで育てている母親は、全体の15%に過ぎない。