2004年05月30日
英ウエ-ルズにあるカ-ディフ大学のアラン・クラ-ク博士をリ-ダ-とする研究チ-ムが、5月19日、イギリスのがん関連学会で、遺伝子工学の技術を使って、腸がん(bowel cancer)にならないマウスの作出に成功した、と発表した。
このマウスのがん抵抗性のメカニズムを解明すれば、がんの予防、治療の研究に新しい方法が生まれる可能性が高い、と期待が高まっている。
研究者たちは、「Mbd2」と言う遺伝子を除去したマウスをつくり、これを後の世代にまで伝わるようにした。遺伝子を除去したマウスは、元気で活発で、生殖能力には異常なく、他のマウスより、寿命が2倍で、腫瘍ができる割合が10分の1だった。
「事実上がんが発生しないマウスの系統ができた。Mbd2遺伝子を除去しても安全であることが人間でも証明されれば、少なくとも腸がん、可能性としては、他のがんでも、その発生を抑え、治療するための新しい研究手段となるだろう。とにかく、がん研究の新しい標的が見つかった。この遺伝子が、正常な細胞のなかでどういう働きをしているのか、腸がんだけでなく、リンパ腫や乳がんとの関係はどうか、なども調べてみたい」と、クラ-ク博士は言っている。
腸がん、および、直腸がんは、世界で毎年約100万人に発生している。脂肪分と動物性たんぱく質の多い食事と関連が深い、とされている。腸がんは、5%が遺伝性であると言われている。